C.R.E.A.M.Financeは、レンディングとスワップの機能を持つプロトコルである。8月3日にCompoundのソースコードからフォーク(分岐)したレンディングプラットフォームは、基盤トークンのCREAMによって機能する。9月8日には、C.R.E.A.M.Financeのアプリ上にBalancerをフォークさせたトークン交換機能(Cream Swap)が追加され、ユーザーはcrTokenなどの交換を同じアプリ上で行えるようになった。当初はEthereum基盤でのローンチであったが、9月12日からBinance Smart Chain上へと移行したため、ユーザーには高騰していたEthereumのGas代を支払わなくてよいというメリットがある。
流動性を提供したユーザーには、CompoundにおけるcTokenと同様に、債権としてcrTokenが発行される。また、流動性の提供者には、インセンティブとして独自のトークンであるCREAMが付与される。C.R.E.A.M.Financeのプールには、Uniswapなどで大きな流動性を持つETH/USDCのようなペアはない。
Cream Swap で、流動性プールを作成して預けたユーザーがCRPT(クリームプールトークン)と呼ばれるプールトークンを受け取るという点は、BalancerがBPTを発行するプロセスと類似している。Cream Swapでは、独自トークンに加えて、Compound、Yearn、Aave、Balancer、Uniswap、TokenSetからのトークンもサポートされている。手数料はUniswapよりやや低い0.25%に設定されており、流動性プロバイダーは0.2%を受け取り、残りの0.05%はCREAMネットワークへ流れる。
CREAMトークンは20%が流動性提供者に、60%がガバナンスのために割り当てられており、運営チームや投資家には20%が分配される予定である。運営チームへの割り当てのうち25%は2021年2月まで市場に出回らないようロックされている。その中で、トークンの積極的な配布によるインセンティブ提供が実施されている。初期の流動性を引き付けるために、最初はキャンペーンとして、ペアにCREAMが含まれる場合には1日あたり3,000のCREAMトークン、その他の場合には1日あたり500トークンが追加配布された。その結果、ローンチから最初の4週間で、2つのプールに対して400,000 CREAMが配布された。開設間もないプールに対してもCREAMが配布されており、例えば誕生間もないUNI関連のプールには1日に100CREAMの配布が7日間続けられた。
スワップ機能の追加から9月14日まで、流動性提供者に通常よりも多いCREAMトークンが配布されていた期間には、CREAM価格も上昇して一時240ドルを超えていたが、足元では100ドル台で落ち着いている。なお、監査機関から監査を受けたという報告書は確認できていない。