みなさんはサバサンドという食べ物を知っていますか?

日本でサバといえばもちろんお供はお米ですが、サバサンドはパンに焼いたサバを挟んで食べるトルコのイスタンブール名物の食べ物なのです。

トルコ最大の都市イスタンブールには、旧市街と新市街を分かつハリッチという金角湾、そしてそこに架かるガラタ橋があります。サバサンドはこのガラタ橋付近の名物グルメになっていて、橋の袂に停泊している屋台や、二階建て構造になっている橋の下の階に軒を連ねるレストランで食べることができます。

ガラタ橋の近くは旧市街と新市街を行き交う人々や路面電車、釣り人、ボスポラス海峡を挟んだアジア側の大陸に船で向かう人々でいつも賑わっており、この混沌とした雰囲気とほのかに香るサバサンドの香りは、セットでガラタ橋の名物になっています。

本場イスタンブールで味わうサバサンドは、シンプルでどこか懐かしさを感じさせる味わいです。

屋台やレストランで使われているのは、エキメッキというトルコの定番のパンです。形はずんぐりむっくりのフランスパンのようで、食感はそれよりも柔らかいのが特徴です。このエキメッキに焼き立てのサバとスライスした玉ねぎを挟み、お好みでレモン果汁をかけて食べるのが、本場のサバサンドです。

レモン果汁は、お店によっては生のレモンであることもしばしば。また、玉ねぎだけでなくレタスやルッコラを挟んだり、スマックという深紅色の少し酸味のある香辛料を振りかけることもあります。

パンとサバってどうなの?と日本人ならきっと最初は思ってしまうでしょう。ところが食べてみてビックリ。パンとサバの組み合わせが、こんなに美味しいなんて!?と、きっと虜になってしまう方もいるでしょう。実際、魚をあまり食べないトルコ人たちの中にも、サバサンドなら食べる、という人もいるくらい。それほどトルコ人の口にも合う食べ物なのです。

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