相続問題を含めた終活に関する全てを解決できるサービス「はなまる手帳」が始動した。7月15日には、はなまる手帳に関するメディア向け説明会も実施された。
はなまる手帳を運営する、株式会社はなまる手帳の代表取締役の吉野匠氏が登壇。吉野氏は老舗葬儀社の株式会社ヨシノの代表取締役も務めている。
ヨシノでは相続対策セミナーを10年間にわたって実施していたが、そのセミナーの参加者の主な心配事は「相続税はいくらになるのか」「トラブルは起きないか」だったという。はなまる手帳は、そうした需要に応えるものとなっている。
はなまる手帳は、無料で利用できるWebサービス(https://hanamaru-syukatsu.com/)で、PC版とLINE版が用意される。
自分自身の状況を入力することで、相続のトラブルが起きる危険度をチェックできる他、どのぐらい相続税がかかるかなどを簡単に診断できる。相続の専門家とのマッチングや、相続や終活に関するセミナーも視聴できる。これらがすべて、はなまる手帳のサイト内で行えるのだ。
相続問題は誰にとっても初めての経験が多く、何から手をつければいいのか分からず、どういった専門家に頼ればいいのかも分からないという人が多いことだろう。だが、はなまる手帳にアクセスすれば、すべてがサイト内で解決できるという強みをはなまる手帳は持っている。
相続トラブルは通常の家庭でも起こりうる
はなまる手帳の吉野氏は、「2025年には大相続時代が来る」と指摘する。2025年には、お年寄り世代が増え、3人に1人は65歳以上、5人に1人は75歳以上という人口構成になるのだ。
65歳以上の5人に1人が認知症というデータもある。認知症を発症した状態では有効と認められる遺言書を作ることはできず、生前贈与も認められなくなってしまう。
「我が家は資産家ではないから、遺産相続の問題は関係ない」と考える人も多いが、実は普通の家庭でも相続トラブルは起こりうる、吉野氏は語った。
吉野氏によればトラブルの主な原因として、「核家族化」「ほとんどの人が生前対策をしていない」といった状況があるという。
核家族化でコミュニケーションが減ったことにより、相続について話し合うことが減る。また、親世代は「話し合うほどの資産はない」と考え、子世代は「相続について親と話しづらい」と考えるので、相続の生前対策をしないままになってしまうのだ。
相続トラブルが起きてしまう要因とは?
この日、相続実務士の曽根惠子氏も登壇した。曽根氏は遺産相続に関する本を何冊も出版し、メディアにも多数出演している、相続のプロだ。
曽根氏が語る相続トラブルの要因ベスト3は、1位が「主張が対立」、2位が「財産開示せず」、3位が「不動産」だった。
1位の「主張が対立」とは、財産の分け方に関して家族間で意見が対立するというものだ。また、介護について、「次男夫婦の我々が介護しているのに、これだけしかもらえないのは納得できない」といった問題が起きることも多い。
2位の「財産開示せず」とは、親の資産がどれだけあるのかが明らかにされないことでトラブルが起きるというものだ。トラブルの事例として、両親と同居する長男が次男に親の貯金通帳を見せないため、次男はどれだけ資産があるのか分からず、遺産相続で揉めたというものがある。
3位の「不動産」とは、お金と違って不動産は分けにくいためトラブルになりやすいということである。3人姉妹なのに親が残した遺産がビル2棟だったので、3人でビル2棟を共有したところ、トラブルになってしまったという事例もあるそうだ。
親子で話し合うための冊子も作れる
こうしたトラブルを避けるためにも、普段からコミュニケーションをとること、財産や生前贈与はオープンにすること、寄与や介護の役割分担についての情報を共有しておくことが必要だ。トラブル回避のためにも、遺言書や民事信託を用意しておこう。
こうした対策に役立つのが、はなまる手帳だ。はなまる手帳では、自分や家族の状況を診断するためのツールが用意されている。その診断結果をもとにした「たくすノート」という冊子も作成できるので、たくすノートを見ながら親と相続について話し合えるのだ。
相続トラブルを起こさないための対策の基本は、しっかりとしたコミュニケーション。そのコミュニケーションを行う上でも、はなまる手帳は役に立つのだ。