日産自動車(以下、日産)が、EVと住環境の関連性についての調査を行ない、結果を公表した。その結果からは、EVの推進には住宅の充電設備の整備が大きく関わるということが分かった。

調査の対象となったのは、集合住宅に住む30~50代の男女400名。全員、EVの購入を検討している。

購入を検討しはじめた時期について質問したところ、もっとも多い回答は「1~3年前(43.1%)」、次が「半年~2年前(25.1%)」で、ここ数年でEVの購入意欲が高まっていることが分かった。

EVの購入を検討した理由でもっとも多かった回答は、「環境にやさしいから(63.0%)」、第2位の回答は「ガソリンが高騰しているから(51.3%)」。社会的な背景が大きく影響していることが分かった。

EV購入に踏み出せない理由とは?

このようにEV購入を視野に入れている人たちだが、購入をためらう理由としてはどういうものがあるのだろうか? 「EVを購入する上で迷うポイント」についての回答では、第1位が「自宅で充電できない(57.8%)」、第2位が「費用が高額(57.0%)」、第3位が「周辺の充電環境が整っていない(45.3%)」だった。これらの回答からは、充電環境が購入に踏み出せない大きな要因であることが、読み取れる。

また、「集合住宅に充電設備がないことでEVの購入が難しいと感じますか?」という質問に、88.6%の人が「難しい」と回答。「住環境(充電設備がない)が理由でEVの購入をあきらめた経験はありますか?」という質問にも、51.0%の人が「ある」と回答した。

EV普及には集合住宅との連携が必要だが、今回の調査では、調査対象者の79.5%が「住んでいる集合住宅に充電できる駐車場がない」と回答している。

こうした結果をふまえて、日産は「充電環境の整備は購入意向を高め、EVが普及する鍵となる重要な要素である」と考察。EV普及のため住環境の整備にも積極的に取り組みたいと意気込みも述べて、発表を締めくくった。