12月26日放送の『羽鳥慎一のモーニングショー』(テレビ朝日系)に、タレントの石原良純(60)が出演。熊本県議が「うち殺すぞ」とタクシー運転手に暴言を吐いたと伝えるニュースに対し、石原が「これはそんなにニュースにすること?」と口にし、羽鳥慎一アナウンサー(51)との間に不穏な空気が流れる場面があった。

24日、熊本県議の井出順雄氏(65)が自宅に向かうために乗車したタクシー運転手に対し「うち殺すぞ」と暴言を吐いたほか、助手席を蹴るなどの行為をしていたと報道。ドライブレコーダーには、タクシー運転手と酒に酔った様子の井出氏とのやり取りが録画されており、井出氏が伝えた行き先をタクシー運転手が勘違いしていたことに腹を立てたとみられる。その後、運転手は助手席を蹴られたことを警察に連絡。タクシー運転手はこのときに、自分が行き先を勘違いしていることに気が付き、メーターを止めて県議を自宅まで送り届けたという。さらに、タクシー運転手に「訴える」と言い放ち降車していく様子が映っていた。

番組の取材に対し、井出氏は「(覚えて)ない」と回答。助手席を蹴ったことについても「ありませんね」「足が当たったという状況」と弁明している。

VTR明け、スタジオでは石原は開口一番「えぇ、これはそんなにニュースにすることなのかな?って僕は……」と口に。羽鳥アナが「まぁ、あまりいい態度ではないと思いますけど」と返すと、石原は「そうだけど、聞いたら『うち殺すぞ』って熊本では『どついたるか』ぐらいのイメージなんでしょ?」と応戦した。

そして、熊本出身の森山みなみアナウンサー(24)の「けっこう軽い感じで言う人もいるかな、ぐらいなんですけど……。結構『どついたろか』みたいなニュアンスで『うちころすぞ』。『銃で撃って殺すぞ』みたいな意味ではないんですけど、タクシーでこれを言われたらかなり怖いとは思います」という説明を聞くと、石原は「でもそれでね、これを切り取って『殺すぞ』って発言ですって、こういうふうなのはどうなのかな」と訴え。

「確かによくないですよ。権力とか地位を持ってる人が見本とならないといけない。そういう時代ですよ。でもこのニュースは僕にはちょっと……」と首をかしげる石原に、羽鳥アが「良純さんはそういうふうに思う。そういうふうに思わない人もいると思います!」と強い口調で反撃すると、石原はなおも「これやるんだったら中国のコロナの経済に与える影響とか、もうちょっと有効に時間を使った方が。本当に率直に思いました」と苦言。

これに羽鳥アナは若干キレた様子で「分かりました。じゃあ来週から(番組の企画)会議に出ましょう」と嫌味を口にしていた。

一方で、ネット上では「撃ち〇すぞという発言と中国のコロナ対策を比較し大したことないというまるでネトウヨのような思考の石原良純。来週から会議に出てくださいというより、来週から来ないでくださいというレベルだと思う」「狭い車内で座席を蹴られ恫喝されることの恐怖。自分は運転してて手が離せないわけで。怖いでしょ、普通に」「石原良純みたいな人がいるから自民党の爺達の不適切発言も許す人がいるんだろうな」「県議会議員が『うち殺す』と他人に言っても問題ないという認識、タレントとして今の時代大丈夫か?」「どんなご時世でも他人に威張り散らして『殺すぞ』と言う人間は反社会的だし議員の資質はないです」と石原の意見に対し、批判的な声が集まっている。

「たしかに熊本には『うちころすぞ(うちくらすぞ)』という方言がありますが、どちらかと言えば喧嘩相手に放つ言葉で、日常的に使う人はあまり見かけません。ドライブレコーダーのやり取りを見て、度を越した暴言と感じた人も多かったでしょう。ただ、石原の言うとおり『石原良純さんのテレ朝批判が正論すぎて羽鳥アナぐうのねもでない』『そもそも運転手が聴き違い行先間違えただろ!俺も怒るぜ!県議に対し悪意ある報道?』と、わざわざニュースにするほどでもないという声もあがっていました」(政治記者)

とはいえ、方言だからといって高圧的な物言いが許されるわけではない。有効な時間の使い方はともかく、暴言を吐いた議員を擁護する石原の姿勢に疑問を感じた視聴者は多かったようだ。