長澤まさみ(35)主演の月10ドラマ『エルピス —希望、あるいは災い—』(フジテレビ系)が12月26日に最終回を迎えた。
スキャンダルで落ち目になったアナウンサー・浅川恵那(長澤)とバラエティ番組の若手ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦・22)が、ある死刑囚の冤罪疑惑を追っていくというストーリーが描かれた本作。
最終回は、大門副総理(山路和弘・68)の娘婿、大門亨(迫田孝也・45)が自殺に見せかけて殺され、拓朗は大門のスキャンダルの告発を諦める。一方、亨の正義を踏みにじった報道に怒りを爆発させた村井(岡部たかし・50)は『ニュース8』のスタジオに殴り込み、セットなどを破壊。その姿を見た恵那はあらためて自身の正義を取り戻す――という展開になった。
ラストは、恵那が大門のスキャンダルをゲリラ報道することを決意するも、それを聞いてやってきた斎藤(鈴木亮平・39)から「政界全体にもまた最大規模の激震が走る。内閣総辞職どころか政権交代もありうる」「国政も司法も混乱を免れない。国際的信用は失われ、株も暴落するだろう」「国家的危機の中で一体何が起こるのか誰がどんな悲劇に見舞われるのか誰にも読めない」と説得される。
また、しかるべきタイミングで必ず真実を明らかにすると斎藤から聞いた恵那は、交換条件として、真犯人である本城彰(永山瑛太・40)の逮捕を要求。その後「ニュース8」では、彰への疑惑と松本良夫死刑囚(片岡正二郎・60)の冤罪をあらためて報じ、数年後、松本は無事出所。大門は失脚こそしていないものの、新聞記者から彰を庇っていた疑惑を追及されるという展開となった。
しかし、この最終回にネット上からは「脚本家の政治思想、冤罪への思い込みが強過ぎて、なんだかなぁ」「大悪の政治家が麻生さんを彷彿させる演出だったのはどうなんだろう」「こういうイメージの刷り込みも冤罪の種になると思う」という苦言が集まっている。
「実は、ネット上からは大門のモデルが自民党副総裁の麻生太郎氏(82)ではないかと話題になっていました。ビジュアルはもちろん、ポスターやホームページも一致。さらに麻生氏の地元である福岡県飯塚市は、冤罪疑惑のある飯塚事件と同じ。つまり、明らかに麻生氏をモデルにした大門が事件をもみ消したということは、そのまま麻生氏も同じことをしたのではないかという根拠のない制作陣からのメッセージになっているとして物議を醸したようです。
また、最終回では多くの視聴者が予想した通り、松本が釈放されるというハッピーエンドに。とはいえ、大門は疑惑を抱えたままで麻生氏への誤った印象を与えかねないまま。制作陣の政治的思想も強く出ている本作に疑問の声も多く集まっています」(ドラマライター)
“正義”をテーマにしていた本作だが、誤解を与えかねない一方的な正義を振りかざしているだけだと感じた視聴者も少なくなかったようだ。