東京地検特捜部は28日、柿沢未途前法務副大臣(52)を公職選挙法違反の買収などの疑いで逮捕した。4月に行われた東京都江東区長選挙をめぐり、区議会議員らに現金を渡した疑い。今月14日に自民党を離党している。

柿沢容疑者は、前区長に有料広告の利用を勧めた責任をとりたいとして10月に法務副大臣を辞任し、議員会館の事務所などが特捜部の捜索を受けていた。関係者によると、柿沢容疑者は、特捜部の任意の事情聴取に対し、区議会議員らに提供した現金は同じ時期に行われた区議会議員選挙の陣中見舞いで、買収には当たらないと説明していた一方、複数の区議は区長選の買収の趣旨があったと認めていた。

現職の国会議員が買収事件で逮捕されるのは令和元年の参院選広島選挙区で地元政治家らに現金を配ったとして2年6月に逮捕された河井克行元法相(60)と妻の案里元参院議員(50)以来となる。相次ぐ閣僚の不祥事に有権者の政治不信はますます深まりそうだ。