12月3日(火)に東京都内にて、株式会社カオナビが予実管理に関するラウンドテーブルを実施した。同社は人材マネジメントシステム「カオナビ」で知られるが、2024年4月に予実管理システム「ヨジツティクス」をローンチしている。
今回のラウンドテーブルでは、カオナビが実施した「予実管理に関する実態調査」の結果も発表された。調査は2024年11月13日~15日にWEBアンケート方式で行なわれた。調査の対象者は全国の20~60代の男女で、経営層150名とミドルマネージャー(課長部長クラスの中間管理職)150名。
調査の結果、まず、ミドルマネージャーの約8割が予実管理に課題を感じていることが分かったという。その課題とは「予算策定や見込みの精度(39.3%)」、「データ収集や入力業務の手間(33.3%)」、「データ分析に関するスキルや知識の不足(29.3%)」など。
ミドルマネージャーの4割が予実管理に苦手意識を持っていること、その一方で予実管理が得意な人ほど売上を達成する割合が高いことも分かった。
ミドルマネージャーの中で、予実管理に表計算ソフトを使用している人が6割以上もいることも判明。自社開発ツールやクラウドツールを使用している人ほど、売上を達成する割合が高いことも分かった。
経営層に対する質問では、経営層の9割以上が「ミドルマネージャーには予実管理の意識が必要」と回答したため、ミドルマネージャーの約8割が予実管理に課題を感じているという調査結果と合わせて見ると、経営層とミドルマネージャーの間にギャップがあることもうかがえた。
こうした調査結果に対して、カオナビのヨジツティクス事業室の室長である菅原拓弥氏は、多くのミドルマネージャーが感じる課題の解決にヨジツティクスが活用できると強調し、経営層とミドルマネージャーの間のギャップを埋めることにもヨジツティクスを役立てたいとも語った。
部署ごとに見られるデータを細かく設定することが可能
ヨジツティクスのデモ実演を行いながら、システムの特徴に関する紹介も行われた。ヨジツティクスの特徴は、財務データだけでなく、KPIなどの非財務データも合わせて管理できること。予算策定、見込み管理、実績管理に対応できること。事業部門別など、データを柔軟に集計・分析できることだという。
また、ミドルマネージャーがいる現場を巻き込んだ予実管理も実現。そのため、特別なスキルがない人でも操作できるように使いやすいUIが用意された他、データの項目一つ一つに細かく権限が設定できるので、部署ごとに見られるデータを細かく制限することも可能になった。
システムを使用するユーザー数にも制限がないため、社内のより多くの人がシステムを使用することが可能となっている。こうすることで、自分の部署が扱っていない数字も見ることができて視野が広がり、社員一人一人の数字に対する意識が向上し、利益の拡大につながることが期待できるという。
ヨジツティクス事業室室長の菅原氏は、今後の展開として、カオナビとの連携での人件費や要員計画に対応する機能や、財務データと非財務データを組み合わせて分析する機能などを開発する予定があることも発表した。