どんな居酒屋にもそのお店に通う人々の思いが重なり、そしてそのたくさんの思いはそれぞれの居酒屋が醸しだす独特の雰囲気となっていく。それゆえ、日本各地に多く人々を虜にする居酒屋がキラ星のごとく数多存在しているのだ。
例えば、あの吉田類も絶賛する大衆酒場、東京・江東区南砂町の「山城屋酒場」に、新潟の郷土料理からラーメンや洋食まで味わえる新潟市・古町の老舗居酒屋「喜ぐち(きぐち)」、北海道随一の日本酒の品揃えと美味しいツマミのお店札幌市北区「味百仙(あじひゃくせん)」、食い倒れの町大阪では、鴨の焼き鳥が味わえる「とり平」、そしてあの開高健も愛したクジラのおでんが楽しめるたこ梅、さらには名古屋にいったら絶対に行っておきたい居酒屋「歓酒亭 大安(かんしゅてい だいやす)」などなど、数え上げればキリがない。
そんな全国にある美味しい居酒屋の中から、今回は、浅草の観音裏と呼ばれるエリアにたたずむ最高の居酒屋をご紹介したい。
お店の名前は「酒・食事処 ナカジマ」だ。
・1921年(大正10年)創業のお店「酒・食事処 ナカジマ」
こちらのお店は1921年(大正10年)創業のお店。
1921年(大正10年)といえば、第1次世界大戦が終戦となり、皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)がヨーロッパを訪問。また第1次世界大戦を終え、日本の勢力を抑える必要があると考えたアメリカによってワシントン会議が開かれ、世界を取り巻く環境が少しずつ変化していった時代。
そんな時代に生まれたこちらのお店は、創業100年を超えても今なお多くの人々に愛され続けており、いつお伺いしても旬の美味しい魚介類と絶品の料理を提供してくれるのだ。