現在も岐阜市加納に残る和傘製造業者の一つが、マルト藤沢商店です。昭和6年(1931) 和傘問屋として藤沢藤伍商店を創業し、伝統ある和傘作りの技術を継承しつつ、和傘でつくったクリスマスツリーなどを東京・表参道で販売。また、お土産ものとしても喜ばれる“ミニ和傘”など、和傘での新しいかたちでの商品化など、和傘での新たな提案も数多く行っています。
和紙に油を引いて雨傘仕様にした和傘には、「蛇の目傘」と「番傘」の2種類があります。原料は、竹と和紙、糸、アマニ油や 荏油(えあぶら)といった撥水のための油、竹骨の上に塗る漆といった天然素材です。これらの素材は、かつては美濃の上流から川で運ばれてきたといいます。
和傘の頭と柄の途中の開閉時に上下する場所にあるのは、美濃の原木であるエゴノキなどで作られた「ろくろ」という部品です。この上下2箇所のろくろで、傘の竹骨を束ねています。
和傘の頭にあるろくろの外側に頭紙(ずがみ)と呼ばれる和紙がついているのが和傘の目印です。油をしみ込ませた頭紙が雨よけとなっています。
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