日本人のファストフードの1つとして昔から愛されてきたメニューの1つといえば、蕎麦。
かつては粒のまま蕎麦のおかゆにしたり、粉にしたものを練って団子状にしたり、蕎麦粉を水で溶いて焼いて食すなどしていたそうだが、安土桃山時代ごろにいまの蕎麦切りというスタイルの蕎麦の味わい方が生まれたのだという。
現在では日本全国で美味しい蕎麦を味わえる名店が存在しているが、今回は岐阜県美濃市にある「そば切り まる伍(そばきり まるご)」をご紹介したい。
・江戸から続く「うだつの上がる町並み」の中心に佇む名店、それが「そば切り まる伍」
今回ご紹介する「そば切り まる伍」があるのは、岐阜県美濃市の観光名所として名高い「うだつの上がる町並み」の一角。
「うだつ(卯建)」とは、隣家との境界に設けられた小屋根付きの防火壁のこと。装飾性が高く、費用がかかるため、江戸時代には裕福な商家しか設けることができなかった。「うだつが上がらない(=出世できない、生活が向上しない)」という慣用句の語源にもなっている、歴史ある建築様式だ。
美濃市は江戸時代から美濃和紙の生産と流通で栄えた商都であり、財を成した商人たちが競うようにして立派なうだつを設けたのだと言う。戦後、生活様式の変化により和紙の需要が激減したため、急激な和紙産業の衰退したため、現代にまで継続して残っている奇跡のような街並みがここにはあるのだ。
そしてその歴史の積み重ねを今も色濃く残るこの街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されており、歩いているだけで江戸から明治にかけての商都の面影を肌で感じられる、まさに時空を超えた景色が広がっている。
そんな風情ある町並みの中に、「そば切り まる伍」は存在しているのだ。
・香り高い絶品の蕎麦を味わう
美濃の蕎麦の良さは水の良さにあるではないだろうか、と筆者は思うのだ。
高級な和紙を漉くためには、非常に綺麗な水が豊富になければならない。先人たちが苦労して積み上げてきた水と和紙の歴史、そしてその和紙の歴史が育んだ水の素晴らしさが、美濃の蕎麦の良さに直結していると言っても過言ではない。そんな豊富で美しい水をたっぷりと使った蕎麦、本当の贅沢とはこう言うものではないだろうか。
こちらのお店では、そんな素晴らしい水を使った蕎麦に関する多くのメニューが並んでいる。実はこちらのお店、すでに非常に人気店であるため、平日でも閉店時間を待つまでに蕎麦がなくなってしまうため、もし訪問するのであれば早めの訪問をオススメする。