イギリスのデパートやスーパー、1ポンドショップでも、3月に入るとウサギやヒヨコ、イースター・エッグをモチーフにしたイースター商品が所狭しと並びはじめ、『もうすぐ本格的な春がやって来るな』と感じさせてくれます。

そんなイースター関連商品の中で、イギリスで毎年8000万個も売り上げているのがイースター・チョコレート・エッグ。
バレンタインにもハート型のチョコレートなどが売られますが、イースターではバレンタインをはるかにしのぐチョコレート商戦が繰り広げられています。

まさに生命の固まりである卵が、復活や生命の象徴と考えられ、イースターに卵を飾ったり、食べたりするようになったとされています。

イギリスでは19世紀後半に定着したとされる、庭などに隠された卵を探す宝探しのようなイベント「イースター・エッグ・ハンド」。ちょうどその頃、19世紀初頭にドイツやフランスで作られ始めていたチョコレート・エッグを、イングランド南西部のチョコレート会社「J・S・フライ・アンド・サンズ」がイギリスで最初に販売すると、瞬く間にイギリス中に広まりました。

キリスト復活のシンボルであったイースター・チョコレート・エッグですが、実は現在のイギリスは、はなから宗教的意味合いなど無視したイースター商戦が展開される日本のことをとやかく言える立場ではなくなっています。

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