はたして野党は喪服で「#Me Too」パフォーマンスをする前に、真剣に女性の人権と向き合ってきたのか。過去に、立憲民主党が性スキャンダルに対して大甘の処分を下していたことが掘り返されて物議を呼んでいる。

立憲民主党・蓮舫議員(50)、辻元清美議員(57)ら喪服を着た野党6党の議員たちは、4月20日、「# Me Too」のプラカードを掲げて財務省にアポなし突撃をするパフォーマンスを繰り広げた。これは福田淳一事務次官(58)のセクハラ問題をめぐり、麻生太郎財務大臣(77)の辞任を求めての行動であり、野党はこの日の国会審議を欠席をしている。

こうした動きを受けて、20日配信の『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)では、抗議に参加した民進党・牧山弘恵議員(50)が出演。使用された「# Me Too」のプラカードを持参して「多くの女性が世界中でこの運動をして、応援されています」と訴えた。だが、そこで前衆議院議員・金子恵美氏(40)が、牧山氏に今回の「#Me Too」抗議への疑念をぶちまけ、ソーシャルメディア上で喝采を浴びている。

金子氏は「世間にセクハラの問題を考えてもらうチャンスなのに、野党だけでやるとまた政治利用だの、政局を作ろうとされ、結局、まじめにセクハラの問題を議論できない」と、パフォーマンスが先行することで、セクハラ問題自体が希薄になる点を指摘。さらに「初鹿さんとか、野党の中にもセクハラ議員っていらっしゃいましたよね? あの時は先生方はどういう行動をとられたんですかね?」と、女性の救済を謳いながら身内には事をおこさない矛盾を問いただした。

この質問に、牧山氏は「その時によって対応違うと思います…」と曖昧な返事でお茶を濁すだけだった。その後も金子氏は「プラカードを掲げるパフォーマンスは本当に辞めて欲しい。野党がパフォーマンスをやると(セクハラの)議論が政治の方になる」と批判。牧山議員は「世界中でやってる。パフォーマンスじゃない」と苦しい弁明を繰り返した。

ちなみに金子氏の夫は元自民党議員・宮崎謙介氏(37)。妻の出産入院中の不倫を報じられたことも記憶に新しいが、報道後には襟を正して議員辞職をしているだけに金子氏の言葉は説得力がある。

■立憲民主党で頻発するワイセツ事件には大甘処分のダブスタ

金子氏が名前を挙げたのは、立憲民主党・初鹿明博議員(49)のことだ。初鹿議員は16年12月、20代の舞台女優をラブホテル連れ込もうとしたことを週刊新潮(新潮社)に報じられている。その際に「みんな奥さん以外に、はけ口を求めていると思うよ」と発言したことも問題になっている。さらに17年11月にも、知人女性にワイセツ行為を行ったことを週刊文春(文藝春秋社)も報じた。だが、立憲民主党は、わずか6か月の役職停止のみに留まるという大甘処分を下している。

さらに、同党に所属した青山雅幸議員(56)も17年10月、週刊文春(文藝春秋社)において、秘書にセクハラ行為を告発されている。この時も立憲民主党は青山氏に対し、「無期限の党員資格停止処分と会派入りを認めない」という大甘処分を決め、青山氏は「示談成立」を理由に辞職要求を拒否した。

『みのもんたのよるバズ!』が配信された20日、ソーシャルメディア上にも、「明らかなダブルスタンダード。ていうか、初鹿議員や青山雅幸議員の方が深刻じゃないの?」「ぐうの音も出ず、沈黙する牧山議員にはいっそう喪服が映えている」「自分たちが目立つためのパフォーマンスはセクハラ被害の女性だけじゃなく、国民の誰にも支持されないと思う」など、「#Me Too」運動というよりは、政治パフォーマンスに見える野党議員へのネガティブな声が多く見られた。

はたして、この立憲民主党がセクハラ議員への処分のどこに、被害女性を救済する精神が反映されているのか。まるで関係のない麻生大臣の辞任など問える資格があるのか。空転する国会を傍目に勝ち誇ったような顔する喪服議員たちの訴えは、全国のセクハラ女性の支えになったのか甚だ疑問である。