現在、ゲーテの家は博物館として一般に公開されていて、ゲーテの書斎や図書室、居間、台所、寝室などを見学することができます。

パステルイエローの外観をした邸宅の内部には、淡いブルーやグリーン、ピンクに塗られたエレガントな部屋の数々が。絵画や彫像などで彩られた空間からは、ゲーテの芸術への関心と高い美意識がうかがえます。

ゲーテが暮らしていた当時の様子そのままに保存された空間からは、ゲーテの息づかいが聞こえてくるかのよう。

入口の床に「SALVE(ラテン語で「ようこそ」の意味)」の文字が書かれた黄色の間は、ゲーテが客人を迎えた場所。この入口は、家主であるゲーテが奥から出てきたときに身長が高く見えるよう工夫されているのだとか。

書斎は「魔王」や「ファウスト」などの名作が誕生した部屋。ゲーテは事務仕事は座ってこなしたものの、小説は「そのほうがはかどる」と、立ったまま執筆にあたったといいます。

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