福島駅から徒歩で10分、福島市内にある県庁・県農産物流通課を訪ねた。写真撮影を交えた取材は事前に断られたが、口頭で以下のように回答があった。
ーー福島県内で一斉に”TOKIOが消えた”と話題になってますが、県庁からの指示はあったのですか?
担当・半沢さん「県庁から指示をしたのは、県庁内など県の施設からの撤去のみです。それ以外は指示をしてません。参画団体さんの判断だと思います」
ーーTOKIOと福島の絆が切れてしまう、との懸念も飛んでいますが、将来またTOKIOが福島を応援する機会は来るのですか。
「県としてはまだ何も決まっていません。いまは何も言えない状況です」
県庁側はこう答えたが、主要駅や県内の道の駅、福島県産品応援店などからTOKIO関連の広告宣伝物は一斉に姿を消している。個々の店舗オーナーの判断で、ここまで一斉に横並びの対応になるとは思えない。
各所に取材するとやはり、「県庁から連絡があり、すぐ廃棄処分にした」(JAふくしま未来)、「県庁から今後の配布を止めるようにと連絡があった」(ふくしま応援店事務局)、「県庁からポスターは貼らないよう指示を受けた」(道の駅「安達」智恵子の里関係者)との声が聞かれた。お役所の体面上、やむを得ない苦渋の決断に違いないだろうが、杓子定規な対応に寂しさを禁じ得ない。
県庁内でも同じだった。やはり新聞報道にあったようにポスターはすべて剥がされていた。だが、ある一角に、ふくしま復興を応援するこんな寄せ書き(※写真)を発見した。こんなところにも端々に「TOKIO」の名が見られる。ポスターは剥がせても、県民の声は消せないということだろうか。
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