門の左右には、ヴェレーナ家の紋章であるライオンの像が置かれ、門の内側にはマルタの守護聖人である聖パウロと聖パプリウス、聖アガタの彫刻が施されています。

門をくぐると、その先は狭い路地にハチミツ色の建物が並ぶ中世の町。観光客の姿もヴァレッタよりはずっと少なく、落ち着いた古都の雰囲気が漂っています。

イムディーナを代表する建造物が、聖パウロ大聖堂。マルタで最初に建てられた聖堂で、4世紀にはすでに原型となる小さな教会が建っていたといわれています。

度重なる破壊や修復・拡張を経験してきたこの大聖堂。現在見られる建物は17世紀末の地震後に、マルタ人建築家ロレンツォ・ガファによって再建されたものです。

規模や内部装飾の豪華さではヴァレッタの聖ヨハネ大聖堂に及ばないものの、格式は第一級。

荘厳な空気に満たされた教会内部では、聖ヨハネ大聖堂と同様、マティア・プレッティ作の天井画が見られます。なかでも「聖パウロの難破」のフレスコ画は有名。

あっという間に一周できてしまう町だけに、イムディーナでは地図は不要。そのかわりに、気の向くままにのんびりと路地散策を楽しんでみましょう。

メインストリートは観光客でにぎわっていても、狭い路地に入り込むと、一気に人通りが少なくなり、静かに。これが「静寂の町」と呼ばれるゆえんです。

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