一度に7名もの死刑!のニュースはたちまち世界中を駆け巡ります。EU加盟28ヵ国と、ノルウェーやスイスといった、今現在死刑制度を持たない国々が、駐日大使館を通じて、非難の声明を寄越したとか。

「非人道的」「基本的人権の侵害」「残酷」、果ては「犯罪の抑止効果はない」とまで。

我が国は通常、逮捕→取り調べ→検察→裁判→判決の流れを絶対正義とした法治国家です。日本では、逮捕の際に犯人が抵抗したからと、警察官が即射殺する、【簡易死刑執行】なんてことは先ずあり得ません。

勿論、海外の警察官も正当防衛のみに射殺が認められています。日本と海外。どちらも正義であることに変わりありません。それでもこの場合、どちらの方が人道的で、より人権を尊重してると言えるでしょう?

日本人には日本人の宗教観や道徳観、それらから派生する生活習慣や価値観、道義等があるのです。全て自分たちが正義!と言わんばかりに自らの価値観を押し付けてくる諸外国には「大きなお世話!」と言いたくなるのは私だけでしょうか。

今回の一件で、上川陽子法相の英断は、称賛に値するものだと、つくづく思います。

「極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対して、裁判所が審理を尽くした上で言い渡す判決を、尊重すべきと考える」とした上で、「慎重に検討を重ねた上で執行命令を発した」と執行後の会見で述べられています。

SNSやネットでは「これまで10名の執行を行った」「執行前夜に懇親会でお酒を飲んでた」と、まるで悪人のように槍玉に挙げられる一方、法務大臣としての決断力と実行力、責任感を讃える声が多くみられます。

基本的に、刑の確定から執行までは、6か月以内とされています。

ところが、法務大臣に就任しても、自身の宗教上の理由を盾に、死刑執行の命令書に判を押さない、言わば先送りをしてきた方が多くいらしたそうです。多くの死刑囚から誰を、いつ執行するのか、法務大臣が一人で決定するのは相当なプレッシャーに間違いありません。

自分の下した決定は、即ち命を奪う事を意味するからです。しかしながら、それが職務である以上、法によって裁かれた以上、避けては通れないはずです。

カトリック教徒であり、敬虔なクリスチャンである上川法相は、3年前の法務大臣就任時、死刑についてインタビューを受けた際に、「法務大臣の職にありながら、個人の思想・心情で死刑の手続きをしないのは、職務の放棄である」と答えたそうです。

その姿勢と覚悟に共感を覚えると同時に、憧憬の念さえ抱いてしまいます。

元オウム真理教の教祖麻原彰晃は、現在の後継教団(ALEPH/アレフ)では開祖という位置付けです。

このままでは殉教者とされ、神格化がなされ、先鋭化された活動へと繋がる可能性は否定できません。特に上川法相は、過激な信者からの報復や、身の危険に晒される可能性は、それこそ生涯に渡ってあり続けるのです。

自らの危険を顧みず、法の正義を守り、職務を全うする。一人の政治家としての、一人の女性としての覚悟。どこの国の為の政治家?と首をかしげたくなるような議員が多い中、我が国ではこんな素晴らしい方が国政を担ってるんだ!と、とても誇らしい気持ちになります。

敢えてもう一度申し上げます! 「上川陽子法相の英断を支持し、称賛を贈らせて頂きます!」

死刑制度のあり方云々と言うのならば、憲法改正に取り組めばよろしい! 私は現憲法の改正には賛成ですし、及ばずながら共闘できるかもしれませんね(笑)!

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