■「私だけじゃない」公選法違反が日常的に行われる特区・沖縄
じつは沖縄は「公選法特区」とも呼ばれ、これらの違反は見て見ぬ振りをされるという傾向がある。先の衆議院選挙でも、沖縄1区の共産党・赤嶺政賢氏(69)が衆院選特番『池上彰の総選挙ライブ』(17年10月22日放送/テレビ東京系)で公示前の「事前活動」を指摘されるということがあった。だが、この時、赤嶺氏は「私だけじゃない。沖縄では慣例的に行われていることだ」と驚きの開き直りをみせたのだ。
さらに玉城氏にも前科もある。2014年1月に行われた名護市長選挙で街宣許可の標旗なしに稲嶺進氏の応援演説を行っていたのだ。さらに政党の街宣車にポスターを貼っていた玉城氏。撮影者が指摘すると、あわてて立ち去ったのだという。
県内ではこのような公職選挙法を無視した事前活動や、違法街宣車、戸別訪問などが当たり前のようにまかり通っている。一体、なぜ沖縄ではこうした違反がまかり通っているのだろう。NEW’S VISION編集部では沖縄県選挙管理委員会に取材を行ってみた。
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ーー沖縄だけが”公選法特区”などと言われ、違法選挙がまかり通っているのはなぜですか?
担当者「もちろん、沖縄に(他府県と違う)特別な法律があるわけではありません。私たちも選挙そのものについての信頼性が揺らぐ事態は黙認するわけにはいかないと考えています」
ーーでは、玉城氏の事前活動が公選法違反だとネットで話題になっていますが取り締まりは行われないのですか?
担当者「私たちに取り締まりについての権限はありません。なので、(事実関係が確認できていないが)お話が本当ならば県警に通報するということになります」
ーー それでは、警察が動いていないということですか?
担当者「委員会としましては、選挙中に何件もの報告を警察にしています。しかし、逮捕するのは県警なので、それ以上のことは…(踏み込めない)。警察もたくさんの事件を抱えて対応できないのかもしれません」
ーー 選管としては、対策のしようがないと?
担当者「私ども(県の選挙管理委員会)としては、各市町村の選挙管理委員会と連携して、違反がないように呼びかけています」
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取材した範囲では、県の選挙管理委員会には県内外から多くの「違反報告」が入っているようだ。委員会はそれに応じて事実を確認し、警察には報告をしているという。それでも警察が動かないのか、違反が表立って取り沙汰されるケースは少ない。
辺野古周辺では(選挙前だけは反発を恐れて大人しくなるが)、毎日のように基地反対派が道交法違反まがいの妨害が行われるものの、こちらも県警はあまり手を出さない。出さないのか、出せない理由があるのか。沖縄の”治外法権”は闇が深そうである。新県知事がこの闇にも手を入れてくれることを期待したい。
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