特殊なキャラは父親譲り?

──当時から一貫してるのは、基本的には周りの仲間も巻き込んで、お金がなくてもとりあえず動き出すってことで、それが今回の映画にもつながってると思うんですよ。ずっとしくじり続けてきたけど、映画をやるようになってからはそれがプラスに出るようになってきて。

上田 そうですね、ネズミ講みたいなのに騙されたり、自費出版したり、そのへんの流れは全部一緒ですね。自費出版したときに2ちゃんねるに「ワクテカを語るスレッド」みたいなのが立ったんですけど。

──ブログに「みんなでワクワクしよう!」とか書いてたから、2ちゃんで「ワクテカ」と命名されて。

上田 そうですそうです。そのときも、ブログのコメントですごいいろんな人が諭しに来て。だから、こっちも2ちゃんに書き込みに行ったんですけど、「ニセテカ乙」って書かれて信じてもらえなくて、ブログで「何時何分に2ちゃんねるに書きます」とか書いてた記憶があります。

──「この書き込みは本物です」とか書いてましたね。

上田 あ、すごいの見てますねえ(笑)。いま思うと、そのときは止める人が誰もいなかったんでしょうね。妻(※アニメ『こんぷれっくす×コンプレックス』で毎日映画コンクールのアニメーション映画賞を受賞した、ふくだみゆき監督)と出会ったのが大きいと思います。

──なるほど、身近にちゃんと注意なりできる人が出てきた。

上田 「やめときなさい」と。だいたい周りの友達も「行け行け!」って感じでしたからね。

──お父さんもそうみたいですよね。mixiで叩かれたときも「正直、このトピの返信を見ながらムカムカしてました。。。でも、お父さんが言ったんです。『感動した。。。お前にじゃないぞ。息子にこんな優しい袋叩きしてくれるみんなに』」「批判してくれる人の方がもっと有り難いんやぞと、貴重なんやぞと、そう言いたかったんやと思います」って書いてて、たぶんお父さんが特殊な人だと思うんですよ。

上田 お父さんはだいぶ特殊ですね。今回も何回かやらかしてましたし。お父さん、話を盛る癖があるんですよね。この映画が誰にも知られてない頃から田舎町でお母さんがビラを配ってた、と。で、ちっちゃい頃の俺とお母さんの写真が冷蔵庫に貼ってある、とFacebookに書いててニュースにもなってたんですけど、貼ってないんですよ、そんなの。

──え!

上田 たぶん違う写真なんですけど、この写真が一番引きが強いと思ったみたいで。

──『時空戦士スピルバン』と撮った写真が。

上田 そうそう。あとで自分でFacebookで、「すみません、嘘でした。ホントは違う写真が貼ってあるんですけど、こっちのほうが引きが強いと思って」みたいなことを書いてましたけどね。お父さんもmixiで炎上してたらしいですよ。

──そっちのタイプなんですね(笑)。

上田 そうなんですよ。お父さんもFacebookとかmixiでたびたび炎上する人で。

──それは当時、2ちゃんでもスレッドが立つぐらいになった上田さんのお父さんとしてではなくて、完全に独立した個人として?

上田 独立した個人としてのときもあるし、俺との合わせ技でっていうときもありました。美容師なんですけど、ちょっと過激な発言をしたり。僕も中身までは見てないんですけど、mixiですごく炎上する人だったっていうのは聞きましたね。

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