プロインタビュアーの吉田豪が、いまもっとも旬で、もっとも注目する人物に直撃するロングインタビュー企画。今回のゲストは、低予算ながら大ヒット上映中の映画『カメラを止めるな!』で旋風を巻き起こしている上田慎一郎監督。実は上田監督と“因縁”があった吉田豪が、上田監督の人生を全3回にわたってじっくりと掘り下げます。

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──しかし上田監督は持ってる人ですよねえ(笑)。

上田 えらいタイミングですけどね(苦笑)。

──今朝、週刊誌の記事がネットニュースになっていたわけですけど、上田監督が話題になった日の最初の取材がボクで、次が『5時に夢中!』の生放送って、このタイミングは確実に持ってますよ!

上田 ホントに……なんでしょうね(苦笑)。

──今日はその問題を糾弾しに来たわけじゃなくて、メインテーマは監督の黒歴史を掘り下げることなので、いろんなインタビューでサラッと流されてる部分だけを聞きますよ!

上田 はい、わかりました、了解です(笑)。

──昔はちょっとアレだった人でも、ちゃんとした監督になれるんだっていうことを伝えるのがテーマです。

上田 その節はご迷惑をかけて……。ビックリしましたけど。

──ボクらの接点が12年前にあったわけですよね。mixiの岡本太郎コミュで起きた出来事、覚えてらっしゃいますか?

上田 覚えてます覚えてます! 豪さんがしゃべってくれた記事まざまざと思い出しました。(※編集部注:https://miyearnzzlabo.com/archives/51460)

──ザックリ言うと12年前、「俺は、ただ今、東京にぶっとんだCAFE&BARを出そうと全力疾走中のSHINですっ。現在資金集め中です。 未経験、コネ無し、文無し……。でも、『怖かったら怖い程飛び込んでごらん、ほらっ』。太郎さんのその言葉が俺の今の力になってます。太郎さんがピカソを超えると覚悟を決めたよぉに、俺も宣言します。自分、岡本太郎、超えます。10000%本気です。絶望的なまでの覚悟ってやつです。このビッグマウスがいつか、ホントになるよぉに」って書き込みを発端に、監督が大好きな岡本太郎のコミュに熱すぎる宣伝書き込みを連投して迷惑がられていたわけですよね。

上田 そうです……。あのときは高橋歩さんの『毎日が冒険』(97年/サンクチュアリ出版。01年新装版発売)とカフェバーを出店しようみたいな本があって、それを読んで開店企画書みたいなのを作って、友達に「お金を貸してくれ」って回って。結局そんなに集まらずっていう状況で東京に出て来たんだと思います。

──この時点で、まだオープンもしていない店のコミュニティを先に作っていたわけじゃないですか。

上田 ハハハハハハ! 作ってましたね。

──しかも、その店は結局オープンしないままに終わるっていう。

上田 そうですね、わりと早々に頓挫しました(苦笑)。

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