■一帯一路構想に「北海道」と「奄美大島」が組み込まれる?

我が国に関して、この一帯一路で特に気になる所が2ヶ所あります。その一つは北海道釧路。ロシアと共同で進める氷上シルクロード構想において、釧路を「北のシンガポール」と位置づけ重要視しています。そのための土地買収も含め、活発に活動がなされているようです。北海道を始め、日本国内での支那人による土地買収が問題とされています。残念ながら未だに法整備は後手に回っています。

同時に奄美大島を大型クルーズ船の寄港地とする計画が表面化し、ここにも支那中共・一帯一路の強力な後押しがあるといわれています。

自然豊かな南西諸島奄美大島、その西部に位置する瀬戸内町西古見集落の池堂地区は人口35人(平成29)、商店が一軒のみという過疎地。ここに乗員乗客7500名という世界最大級のクルーズ船を、支那中共から週2~3回寄港させる計画があることが判明し、住民は不安を募らせています。

この計画は国土交通省と瀬戸内町が、大型クルーズ観光を誘致するかたちで、住民に事前説明なしに進められていました。なんだかとても不自然なお話ですね。因みにインフラ整備には我が国から多額の補助金が出されるそうです。

また平成28年には奄美大島中部の龍郷町に「支那人向けリゾートテーマパーク」と、それに伴う「大型クルーズ船寄港」の計画を持ち掛けられたことがわかっています。この計画は反対の声に押され、無きものとなりました。

この計画を進めていたのは米国ロイヤルカリビアンクルーズ社の国際事業部門である「ロイヤルカリビアンインターナショナル」、その副社長である劉淄楠(リュウ・ジナン)氏で、当然のことながら中共政府との結び付き、一帯一路の後押しは明白です。そもそも22万tの大型客船が寄港できる港湾施設となれば、6万tといわれる「空母遼寧」の停泊なんていとも簡単なことです。島民は「今まで通りの穏やかな暮らしと観光業ができればいい」と口を揃えているそうですが、もし大型クルーズ観光が誘致されたら、地域住民は間違いなく観光業から疎外され、穏やかな暮らしすらできなくなるでしょう。

さて、なぜ奄美大島なのでしょう? 奄美は自然の要塞としてかつての日本海軍の要所でした。それは未だに監視所や壕といった戦跡が数多く残っていることからも伺えます。そして現在奄美大島北東部には陸上自衛隊「奄美駐屯地」があります。

一帯一路政策が経済のみならず、軍事的要素を含むとするなら、奄美大島は戦略上重要拠点となり得ます。クルーズ観光を隠れ蓑に人材と物質を運び、なんとしてでも攻略したいはずです。その意味でも奄美大島に展開する自衛隊と沖縄の米軍は「喉に詰まった骨」、「目の上のたんこぶ」なのかも知れません。

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