こんにちは、中国人マンガ家の孫向文です。

「中国国家安全局」という言葉をご存知でしょうか。中国の国家安全に危害をくわえる「外国の勢力」を監視、対処する公安組織のことです。今日は、この「国家安全局」が日本の主権を侵害している事件をいくつか紹介します。

10月25日、安倍首相は再び訪中を決めました。今回は、なぜか中国メディアが過去の姿勢とはガラッと変わって、安倍首相を歓迎する姿勢を示しています。しかし、日中関係は急に接近するのは背景があります。中国は泥沼化する米中貿易戦争のため、やむをえず日本との貿易を深め、米中関係で損害した部分を埋める「用日」をしているにすぎないのです。

懸命な日本企業は今年に入り、旭化成が中国工場を日本に戻すことを決め、三菱・日東電工・コマツが日本もしくは東南アジアへの移転を計画していました。ところが、昨今の日中急接近に朝日新聞は「日中経済、蜜月時代?」(9月14日)と小躍りし、経団連・中西宏明会長は「(一帯一路に)中国側は日本側に協力を求めている。大きな(ビジネス)チャンス」と述べ、日本経済新聞では早くも中国に再投資、再進出を促す記事も見られます。

もちろん、日本企業が米中の”漁夫の利”を狙って、中国に再進出するのは勝手です。しかし、進出を決めるのは「中国国家安全局」の実態を知ってからにした方が良い、と忠告いたします。

次ページ:「国家安全」の名の下に日本企業の先端技術が盗まれる?