ヘイエルダールは1970年、アシで造られたこの船で大西洋を横断し、北アフリカのモロッコから南米のバルバドスまで、6100キロを57日間で旅しました。この航海には、日本人カメラマンを含め8ヵ国から集まった8人の乗組員が参加しています。

日本人がラー2世号を目にすると、しばしば「あっ、日の丸?」と口にします。

確かに、ラー2世号に掲げられている白地に赤い丸が描かれた旗は、日の丸そっくり。しかしこれは日本の日の丸を意図したものではなく、「ラー」つまり太陽を表しているのです。

コンチキ号で有名なヘイエルダールですが、彼は世界で初めてイースター島で発掘調査を行った学者。コンチキ号博物館では、イースター島のモアイなど、ヘイエルダールがかかわった文明も紹介されています。

現在、「南米から人が海をわたってポリネシアに文明がもたらされた」というヘイエルダールの説には否定的な見解が多いものの、彼が当時不可能だと思われたことをやってのけたのは事実。

事実がどうだったかははっきりとしませんが、自説を裏づけるために自ら危険をおかして航海に出るというヘイエルダールの冒険心や情熱は、敬服に値するのではないでしょうか。

それが南米から人が渡った証明にはならなくとも、この博物館に展示されているコンチキ号は歴史に名の残す勇者なのです。

Post: GoTrip! http://gotrip.jp/旅に行きたくなるメディア