1958年10月1日、1億2022万円の工費を費やした天守閣がようやく完成。その日から5日間は「お城まつり」が開催され、この期間に天守閣にののぼった人は8万人を数えました。その数字からも、当時の和歌山市民にとって、和歌山城天守閣の再建が、どれほど喜ばしく、誇らしいものであったのかが想像できます。
過去に城内にあった建物のなかには、長い歴史のなかで失われてしまったものもありますが、現在は、江戸時代の内郭にあたる部分一帯が広々とした公園となっています。
和歌山市役所の向かいにある大手門から城内に入ったら、まずは天守閣を目指しましょう。
和歌山城の石垣には、紀州特産の青みがかった緑泥片岩が多く使われていて、そんなところにも和歌山らしさが表れています。
3代目となる和歌山城の天守閣は、三層の大天守閣と二層の小天守閣が、多門櫓(たもんやぐら)で結ばれた連立式天守。和歌山城は、兵庫県の姫路城、愛媛県の松山城とともに、「3大連立式平山城」に数えられています。
複雑なシルエットをした天守閣は、さほど大きくはないものの、とても優雅。白壁が青空によく映えます。
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