世界最大の仮想通貨交換業者とされるバイナンスは2017年末、トークンの資金調達(ICO)プラットフォーム「ローンチパッド」を設置。さっそく「Gifto(ギフト)」と「Bread Wallet(ブレッドウォレット)」のICO(新規仮想通貨公開)を実施した。
いずれも成功に終わったものの、その勢いは続かなかった。2018年は、ローンチパッドを使ったICOはゼロ。ICO規制が厳しくなったことと、仮想通貨市場全体の低迷が響いたらしく、ローンチパッドは開店休業状態だった。
だが、2019年に入り、(少なくとも今のところ)状況は一変している。ローンチパッドでは2カ月連続でICOが行われ、どちらも盛況だった。バイナンスは今後も、毎月1件はICOを実施する計画を発表した。
その一方で、バイナンスのネイティブトークンであるバイナンスコイン(BNB)はどうなるのか——投資家の間ではそんな疑問が浮上している。そこで今年に入って実施された2つのトークンのICOについて情報を整理しておこう。
<BTT>
1月28日午後3:00 (日本時間-9) 、トロン財団の子会社BitTorrent(ビットトレント)は、トークン「BTT」のICOをローンチパッドで実施。BNB(バイナンスコイン)で237万6000BTT、TRX(トロン)で356万4000 BTTが売り出された。バイナンスによると、BNBでは13分25秒、TRX では14分41秒で完売する盛況だったという。
このICOを経た1月31日、BTTは仮想通貨取引所バイナンスに上場。BNB(バイナンスコイン)、BTC(ビットコイン)、USDT(テザー)での売買が可能になった。バイナンスによると、BTTの価格は一時、ICO価格の10倍に達したという。
<FET>
2月25日午後2時(日本時間-9)、Fetch.AI(フェッチ・エーアイ)のトークン「FET」のICOがローンチパッドで行われた。取引可能通貨はBNBのみ。計6920万4152 FETが22秒で完売したという(価格は0.008584 BNB)。
バイナンスのチャオ・チャンコンCEOはツイッターで、計2万4000人がユーザー合意書に事前に署名し、1万9860人が買い注文を入れたと報告。このうち2758人が実際にFETを買うことができた。FETも近くバイナンスに上場するだろう。
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