日本各地にはそれぞれの街や地域の方々がこよなく愛し、磨き上げられてきた絶品グルメが必ず1つや2つ存在する。

しかしその絶品グルメは、ほとんどの場合地元の人にとっては「常識」や「当たり前」のため、その街や地域以外の人にはなかなか知られることがないのが、現状である。

例えば、愛知県・安城市にある「北京本店の北京飯」広島県・広島市にある「陽気のラーメン」石川県・金沢市にある「グリルオーツカのハントンライス」新潟県・新潟市にある「みかづきのイタリアン」大阪府・大阪市にある「かどやの豚足」長野県・上田市にある「日昌亭の焼きそば」北海道・札幌市にある「だるまのジンギスカン」などなど、さまざまな美味しいグルメがキラボシのごとく日本各地に輝きを放って存在している。

今回はそんな絶品の地方グルメの中から、岩手県盛岡市が誇るご当地麺「じゃじゃ麺」をご紹介したい。

お店の名前は「白龍(パイロン)」。

・創業1953年(昭和28年)の元祖じゃじゃ麺のお店、それが「白龍(パイロン)」
1953年(昭和28年)と言えば、NHKと日本テレビがテレビ放送をはじめ、初のスーパーマーケット「紀ノ国屋」が東京・青山にオープンした年。

第二次世界大戦から8年、日本全体が徐々に復興に向かって突き進んでいる時代に、こちらのお店は産まれたのだ。

創業者・高階貫勝氏が岩手県盛岡市で紹介した中国東北部(旧満州)の「炸醤麺」(ジャージャー麺)は、多くの盛岡市民に愛され、そして今では盛岡のご当地麺として全国に名を轟かせ、多くの人々にじゃじゃ麺の美味しさを今なお紹介し続けているのだ。

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