藤巻健史議員が発足した「仮想通貨の税制を変える会」の活動と、現行の課税制度の問題点について、『生活の中に転がるお金の疑問を解決』をコンセプトとするファイナンシャルフィールドが取り上げ、Yahoo! JAPANに掲載された。

今回の仮想通貨税制に関する記事を執筆したファイナンシャルフィールドは、「仮想通貨投資を考える投資家にとって、仮想通貨の税制はとても気になる点だと思う」とし、現在の仮想通貨の利益は、雑所得扱いとなり最大55%の税率が掛かると言及した。

「仮想通貨の税制を変える会」が掲げる、論点の柱は以下の4点だ。

• 総合課税最大55%から分離課税20%へ
• 異なる仮想通貨間の売買は非課税とする
• 損失した投資額を繰越控除とする
• 利確時の少額決済を非課税にする

ファイナンシャルフィールドでは、ファイナンシャル・プランニング技能士の立場から、これを分かりやすく解説している。

■総合課税として最大税率55%に
「仮想通貨で利益確定した場合、その収入は雑所得に分類されるため、総合課税として最大55%が課税対象となる。
株式投資やFX投資は分離課税であり、最大20%の税率となる。租税法の「税制の中立性」という観点からは矛盾していることになる。「仮想通貨税制を変える会」では、仮想通貨についても株式投資やFX投資と同じ20%の税率にしようという活動を行っている。」
(出典:ファイナンシャルフィールド)

日本の税法上は、2017年7月に「改正資金決済法」が施行され、仮想通貨が物ではなく一般的な貨幣と同じような財産的価値を持つ”通貨”として事実上認められたことで、消費税(8%)が非課税となった。

しかし、仮想通貨の取引で得た利益は、「雑所得」に区分され総合課税の対象となるため、一律10%の住民税を合わせた累進課税が適用される。

サラリーマンであれば会社の給与所得など、ほかの収入と合算した額に応じて税率が決まり、所得額に応じて「15~55%(最高税率)」が課税対象となってしまう。所得(1年間で得た給与収入+仮想通貨収入から給与所得控除を差し引いたもの)が高いほど、税負担が重くなる計算だ。

「税制の中立性」とは、公平性や簡素性と並んで租税に求められて然るべきものであり、税制を構築するうえでの基本原則とされている。つまり、国の政策による経済活動への租税の介入を抑止するため、利用者の消費選好に歪みをもたらすことを防ぐためのものだ。

現状では、税制面で大幅に優遇されている「株式投資やFX投資」が奨励されていると捉えられかねず、「税制の中立性」が保たれているとは言い難い。

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