LCC「ベトジェットエア」の日本就航により、ますます旅先として存在感が高まっているベトナム。19世紀末~20世紀半ばのベトナムは、隣国のラオス・カンボジアとともに「フランス領インドシナ」と呼ばれていました。

フランスによる統治を脱してから70年以上が経った今も、街並みから食文化まで、ベトナムのあちこちでフランス文化の片鱗を感じることができます。

そして、その最たるものが、「東洋のパリ」と称されたホーチミンのコロニアル建築群かもしれません。東南アジアとヨーロッパの風景が融合した、どこか幻想的なホーチミンの街を歩いてみましょう。

ホーチミンを代表するコロニアル建築といえば、ホーチミンのシンボル的存在のサイゴン大教会。正式には「聖母マリア教会」といい、教会前の広場には聖母マリア像が静かにたたずんでいます。

1863年から1880年にかけて建設されたホーチミン最大の教会で、凛とした雰囲気を醸し出す2本の尖塔が印象的です。

驚くべきは、赤レンガなどの建築資材をすべて本国フランスから取り寄せたこと。だからなのか、サイゴン大教会は、ここだけふわりと浮き上がったような、非日常的な空気をまとっています。現在、修復工事の真っ最中で、2019年末~2020年の完成を予定しています。

サイゴン大教会の向かいに建つ中央郵便局も、やはりホーチミンを象徴するコロニアル建築のひとつ。鮮やかなクリームイエローの外壁が、南国の空によく映えます。

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