本館1階の「麒麟」は、鮮やかなブルーの壁面が印象的。
これは桜井兵五郎が買い取った後に塗られたもので、「群青壁」と呼ばれる加賀地方の伝統技法です。このように、起雲閣の建物は、主が変わるたびに豪華なしつらえが付け加えられ、進化を遂げてきました。
もともと内田信也が車いすの母親のために建てたというだけあって、畳の部屋と廊下の段差をなくすなど、当時としては珍しい「バリアフリー設計」にも注目です。
洋館は、1932年に根津嘉一郎によって建てられたもの。最近では、2014年放映のNHK連続テレビ小説「花子とアン」のロケ地になったことで再び注目を集めました。
日本の寺社に見られる建築の特徴や中国的装飾、アールデコが融合した「玉姫」やイギリスのチューダー様式やサンスクリット語の装飾を採り入れた「玉渓」など、東西の様式を融合させたエキゾチックな空間に目を奪われます。
次ページ