展示室を挟んで、根津嘉一郎は1929年に建てた洋館「金剛」には、甘美な雰囲気漂うローマ風浴室が。

ステンドグラスの窓やテラコッタの湯出口などは建築当時のままで、別世界へとワープしたような非日常感が楽しめます。小説家・舟橋聖一が「孔雀」に登場させたほか、1950年公開の映画「雪夫人絵図」のロケ地にもなりました。

館内を見学した後は、根津嘉一郎によって整えられた1000坪の池泉回遊式庭園へ。茶人でもあった根津嘉一郎自らが指揮を執り、中央にある推定20トンの巨石は、20人の庭師が2カ月近くをかけて運んだといわれています。

実際に庭を歩くこともでき、庭園側から見ると、各建物の新たな表情が発見できることでしょう。

さまざまな様式を採り入れつつも、見事な調和と威厳を保つ起雲閣は、大正ロマンの極み。熱海を訪れたら、しばし海運王や鉄道王の美意識が詰まった空間で、ノスタルジーに浸ってはいかがでしょうか。

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名前 起雲閣
住所 静岡県熱海市昭和町4-2
公式ホームページ http://www.city.atami.lg.jp/kiunkaku/index.html