◇以下は、FISCO監修の投資情報誌『FISCO 株・企業報 Vol.7 −米中冷戦の行方と日本の未来』(3月29日発売)の特集「フィスコ仮想通貨取引所の今後」の一部である。全4回に分けて配信する。

2018年11月22日、フィスコのグループ企業であるフィスコ仮想通貨取引所(以下、FCCE)は、テックビューロ社が運営していた仮想通貨取引所Zaifの事業を譲り受けた。今後FCCEはどのように将来を見据え、進化していくのだろうか。フィスコデジタルアセットグループ(以下、FDAG)代表取締役、兼カイカ取締役会長の八木隆二氏に話を伺った。

■FDAGと競合他社の違いとは

FDAGでは、以上に述べたようなマーケットにおいて、重要となる戦略資産を保有しており、競合他社に比べて必要な知見や能力を備えている。まず1つ目として、フィスコは幅広く法人向けサービスを行っている。1000社以上の法人営業網があり、企業向けサービスをグループ横断的に創造している。

このため、弊社は既に「法人向けサービスは個人投資家と企業をどのように繋いでいけば、ファイナンシャルサービスを提供できるのか」という視点に立っている。こうした点で、競合他社の取引所とはスタンスが異なっている。

2つ目に、法規制のことを考えても、明確な違いがある。グループ内に3つの上場会社があり、内部管理体制が非常に充実している。そして、証券や投資助言など金融業務に精通し、金融当局とのコミュニケーションが円滑であるということ。こうしたベースがあるからこそ、次なる業務推進、マーケティング政策を立てていけるという点が自社の持っている良い点である。

3つ目としては、システムの観点がある。競合他社は自社のシステムを拡充するか、もしくは外部のシステム開発会社に外注することで、取引所システムをつくっている。一方FDAGでは、グループ内にカイカやネクスというシステム開発会社があり、600人以上のシステムエンジニアを内包しているため、速やかなサービス実装が可能となる。また、カイカは元々金融機関向けのシステムを開発していた会社であるため、利用者保護やマネロンなど金融当局が求める最も重要な部分を強固にし、構築することができる。

■ビットコインと既存の金融商品を融合したサービスを提供したい

まず、ビットコインと既存の金融商品を融合したサービスを提供していきたいと考えている。例えば、グループ企業であるeワラント証券がビットコインを原資産とするカバードワラントをリリースすることを計画している。なお、今年、国会では金融商品取引法の改正が予定されているため、あくまでも改正後の内容に遵法し対応していく予定だ。

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