日本トップクラスの観光地だけに、さまざまなカフェやレストランがひしめき合う京都。そのなかで、「寺カフェ」として注目を浴びるお店があるのをご存じでしょうか。

それが、佛光寺境内にある「d食堂」。

「ロングライフデザイン」をテーマに、地域の「らしさ」を見直す活動を行っている「D&DEPARTMENT」プロデュースのカフェで、d食堂併設の「D&DEPARTMENT KYOTO」はその10店舗目。京都造形芸術大学とのコラボレーションで、2014年11月にオープンしました。

佛光寺は、浄土真宗佛光寺派の本山で、京の通り名のひとつである「仏光寺通り」は、このお寺の北を通ることに由来するとされています。京都を代表する繁華街・四条からほど近いところにありながら、観光客の往来は少なく、佛光寺境内にはのんびりとした穏やかな時間が流れています。

1212年に親鸞によって開創されたと伝わる由緒ある寺院に、すっかり溶け込んでいるd食堂。

この場所は、朝の説法や地域のコミュニティスペースとして使われていた「茶所」で、背筋が伸びるような厳かな雰囲気と、ほっとさせられる優しい空気感が共存する穏やかな空間です。もともとお寺にあった建物を利用しているだけに、普通の和カフェにはない独特の情緒がありますね。

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