2018年は美容×テクノロジーの「ビューティーテック元年」といわれた。その背景にあるのが、ひとつはAIやARを駆使しての肌分析デバイスやネイルプリンターなど、ハード面の開発競争が挙げられる。そしてもうひとつが、人工皮膚や皮膜化の技術を使った化粧品そのものの開発だ。

人工皮膚まわりの技術を使った代表的な商品として、6月にBONOTOX Japanから発売された「セカンドスキンクリーム」が挙げられる。QVCジャパンでの先行販売では開始15分でソールドアウトとなり、スキンケア部門において開局以来最短を記録。

この「ボノトックス セカンドスキンクリーム」は高分子の美容成分膜(タンパク質膜)を利用した、高密着エイジングケアパックだが、従来型のパックを想像していると少々面食らうことになる。

見た目はいたって普通のジェル状クリーム。洗顔後に化粧水などで通常のケアをした後、専用のスパチュラを使って顔全体に薄くのばすと、乾燥して肌にぴたりと密着する極めて薄い膜となる。セカンドスキンの名の通り、それはさながら第二の皮膚だ。

これは医療現場で使われる人工皮膚の技術に着目したもの。従来の化粧品は肌の中に成分を浸透させて内側から肌を健康的に導く手法なのに対し、セカンドスキンは肌の表面にバリアをつくることに特化。そこへ美容成分伝達に優れた低分子多重層カプセルを掛け合わせた。肌にのせたジェルがタンパク質膜と美容成分とに素早くわかれ、美容成分の蒸発を防ぎながら浸透力を高めるのだという。

完全に乾燥させた後は30分以上、できれば長時間置くことが推奨されており、そのまま就寝することも可能だという。その後は指で剥がしてから、水またはぬるま湯で洗い流す。通常のパックであれば長時間の使用は逆に乾燥の原因になるが、こちらは肌の水分が抜けることがないためじっくり時間をかけてのケアが可能としている。一度皮膜化してしまえば密着度が高く違和感もないので、時間は長くてもむしろ従来のパックより気を遣わずに過ごすことができる。また肌をすこやかに保つターンオーバーが活発化する就寝中にケアすることができるのも大きなアドバンテージだ。

日本での先陣を切ったBONOTOX社に限らず、大手ブランドが軒並み研究開発を推し進めている最新技術。ビューティーテックは、頭打ちを見せていた美容業界に風穴を開けた。この分野では今後もさらなるイノベーションが期待される。