真偽のほどはわからないものの、仮想通貨に対する正しい知識を広めようと努力するチャンネル運営者は、取引所へのリンク等を貼らないようにと注意を促した。

このYouTube仮想通貨コンテンツ削除事件は、思わぬところにも飛び火したようで、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が行ったロードマップに関するQ&A動画(3年前に投稿)も、YouTubeの契約違反として削除されている。

このコンテンツ削除を知らされたブテリン氏は「全く奇妙だ」と述べ、YouTubeに代わる手段が必要だとコメントしている。

また仮想通貨取引所最大手バイナンスのCEOであるCZ氏も同様の考え方を持っているようだ。CZ氏は「これは短期的に見ると後退につながる良い例だ。でも、長期的に見ると良いことだろう。より自由な、新しいプラットフォームが頭角を表すチャンスを与えるために、ユーザーはコンテンツを作成し、別の場所に投稿するだろう」と述べている。

この事件によって、動画が削除されチャンネルが閉鎖されるかもしれないと肝を冷やす思いをした数多くの仮想通貨ユーチューバーが、一つのプラットフォーム(YouTube)に依存することの危険性、特に中央集権的な巨大プラットフォーマーが持つ影響力について、再確認させられたようだ。

前出のユーチューブチャンネル「The Moon」を運営するCarl Eric Martin氏は次のように述べている。

「信頼しすぎないこと、中央集権的機関に依存しすぎないという、大変貴重な教訓を学んだ。これからは自分の聴衆を分散化しようと思う。」

「雨降って地固まる」のたとえのごとく、この一連の不運な出来事は仮想通貨コミュニティを分散化の方向へ、より力強く後押しするきっかけとなるかもしれない。

dApps(分散型アプリケーション)でも広く利用されるイーサリアムベースのアプリブラウザ「MetaMask」が、Googleのアンドロイドアプリストアから削除されたことが確認された。

グーグル側は、「モバイルマイニングアプリを禁止するポリシー」に違反したことを理由にアプリの新規ダウンロードを停止、一方のMetaMaskはマイニング機能を一切提供していないと反論し、申立てを行なっていた。しかし、グーグル側は拒否したという。

現在、アンドロイドのPlayストアではMetaMaskが表示されないが、Chrome版のMetaMaskは依然としてダウンロードできる状況だ。

YouTubeの事件は「ミス」によるものだったと説明されているが、MetaMask削除はそうでないため、業界内ではグーグル社(YouTubeを所有)が仮想通貨コンテンツを粛清しようとしているのではないかと指摘している。

(記事提供:コインポスト)
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