GMOインターネットは12日、2019年12月期(19年1月-12月)の決算を発表した。累計売上高は前年同期比5.9%増の1961.71億円、営業利益は同16.0%増の252.79億円となった。

マイニング事業や、暗号資産(仮想通貨)交換業を手がけるGMOコインの事業で構成される仮想通貨事業では、売上高が60.7億円と前年(82.4億円)から26.4%減となったものの、営業利益は9.58億円と、前年(13.62億円の赤字)から黒字転換した。

マイニング事業では、採掘能力を示す自社ハッシュレートが一時的に低下したことで、同社のビットコイン(BTC)採掘量が減少したため、売上高が前年同期比49.1%減の21.42億円と大幅に減少。しかし営業利益は、事業再構築によるコスト削減効果により黒字転換したとしている。

また、仮想通貨交換業では、『証拠金取引のレバレッジを7月末から仮想通貨交換業協会の自主規制規則を早期適用し引き下げた』ことも影響し、売上高が前年同期比2.6%減の39.29億円となったが、一方で取引口座数は、前年同期比32.8%増の29.9万口座と顧客基盤の拡大が続いているという。

同社は仮想通貨事業の今後について、マイニング事業では新拠点の構築を最優先とし、安価な電力による運営体制へ移行を進めると伝えている。仮想通貨交換業では、スプレッド引き下げによる顧客基盤の拡大を継続していくもよう。

中長期的には、マイニング事業において低コスト戦略で利益貢献を目指し、仮想通貨交換業でFXのノウハウを活用し、国内シェアの拡大を図るとしている。ほか、日本円と連動したステーブルコインを発行予定であると明かしている。