そんな神保町グルメの中から、今回は100年以上前からビアホールとして美味しい洋食を提供しているお店をご紹介したい。
お店の名前は「ランチョン」。
・明治42年開業の老舗、それが「ビアホール ランチョン」
こちらのお店、明治42年(1909年)創業の老舗の洋食店。
1909年といえば、伊藤博文がハルピンで暗殺され、日露戦争に勝利したものの日本全国で戦争による影響で不況にあえいでいた時代。
しかしながら、国内では山手線の運転が開始され、京成電鉄、味の素の前身である鈴木商店、さらには、三井物産や新宿中村屋などが相次いで開業し、時代に残る不況の陰と新しい発展の光とが混在していた状況。
実は開店当時、こちらの店には名前がなかったという。
なぜなら明治42年にビールと洋食を出す店など周りはおろか日本を探してもほとんどない状態のため、店に名前をつける必要などなかったから、というのが理由だそうだ。
しかしながら、当時の常連だった東京音大(現・芸大)の学生たちがこちらのお店を「ランチョン」と呼んだことから、そのまま、現在までその名前が残っているのだと言う。
そんな明治時代に産まれた老舗は、その美味しい味わいから、多くの著名人に愛されてきた。
・泡までうまい、最高のビールを味わう
ビアホールと名のつくこちらのお店、なんといってもビールがうまい。
創業から100年以上経った今も、創業当時から変わらない美味しい生ビールと洋食を提供し続けているのだ。
クリーミーな泡で覆われた黄金色のビールは、まさに芸術品と呼ぶにふさわしいビールだ。
もちろん見た目だけではない。
細かく何度も泡を切りながら注がれるビールは、キレのある味わいだが、泡によってしっかりとウマミを閉じ込められている。
クリーミーな泡は口当たりも優しく、まさに泡までうまいビールとなっているのだ。