以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2020年5月21日に執筆

本日、ブロック3654のコインが動かされた。アドレス内の50BTCのうち10BTCが動かされて、一部は米コインベースに送金されている。このコインは、ビットコイン(BTC)のスタートから37日後のコインであり、ナカモトサトシ(ビットコインプロトコルを作成した人物)本人のコインではないかという噂が立っている。相場は今後(大量のBTCを保有していると推測される)サトシのコインが継続的な売りを見込んでか急落している。

さて、これは本当にサトシのコインであろうか? 結論からいうとそうでない可能性が強い。

そもそもサトシは、どのコインが自分が採掘(ビットコインが新規発行される際の計算作業)したものであるかというのは公言しておらず、100万ビットコインといわれるサトシ保有のコインの特定は、後の分析家が特定したものだ。その時につかわれた分析手法が、「Extra nonce」の分析と呼ばれるもので、これを追うことにより、採掘の際の行動パターンが強く浮き彫りになる。サトシは特定のパターンに沿って採掘していたと考えられ、今回のコインはそのパターンに当てはまらない。つまり、最初からサトシのものとは考えられていないコインである。市場は冷静さを取り戻すことが大事である。

しかしながら、こうした最初期のコインをいまだに保有し、動かすための秘密鍵を紛失せずにいる人が存在することは面白い。この人物が誰であるかというのは、サトシとは別に、興味の対象であろう。
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執筆者名:大石哲之(Tetsu ‘BIGSTONE’ OISHI)
ブログ名:ビットコイン研究所