ロマンチック街道の終点となる町フュッセン。中心部ではパステルカラーの街並みが続き、だまし絵が壁一面に描かれたホーエス城やロココ様式の美しい図書館がるフュッセン博物館など、見どころがコンパクトにまとまっています。

そんなフュッセンから今回紹介するのは、町はずれにある山カルヴァリエンベルク。軽いハイキング気分で散策が楽しめるほか、山頂はフュッセンの町やノイシュヴァンシュタイン城、ホーエンシュヴァンガウ城が一望できる隠れスポットでもあります。

カルヴァリエンベルクのスタート地点となるのは、レヒ川をはさんで町の対岸にあるこの教会。教会の前に山の中へと続く道があるので、ここを上っていきます。

階段になっている坂道や平らな道が交互にあるので、体力的にはそこまできつくありません。木々が生い茂る森の中は、夏でも空気がひんやりとしていて気持ちが良いです。

山を上っていくと、所々に小さな建物が建っているのを見かけます。それぞれの建物では正面に何やら絵が掲げられていますが、これは何でしょうか。

これらの建物に掲げられている絵は、キリスト受難を描いた聖画像。キリストが死の宣告を受けてから十字架に張りつけられるまでを描いた14の聖画像が、山頂までの道に点在する建物に掲げられているのです。

この事からも分かるようにカルヴァリエンベルクはキリスト教における聖地であり、巡礼地にもなっています。巡礼者はこの聖画像が掲げられた建物を巡りながら自身と向き合う事で、己の信仰心を深めていくのです。

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