京都・宇治といえば、泣く子も黙るお茶の里。数々の老舗茶屋が店を構えていて、抹茶好きにはたまらない場所ですよね。

抹茶スイーツがいただける茶寮もたくさんあり、どのお店に行こうか迷ってしまうというもの。何度も宇治に足を運んでいる筆者は、自分の限りある胃袋を恨めしく思うこともしばしば。

今回は、抹茶スイーツ激戦区の宇治で、「抹茶の濃さを求めるならここ!」というお店をご紹介します。それが、老舗の製茶問屋「辻利兵衛」が営む「辻利兵衛本店 宇治本店茶寮」。

「辻利」や「中村藤吉」に比べると知名度はやや低いかもしれませんが、1860年創業の「辻利兵衛」は、栽培から加工、茶葉のブレンドまで一貫してこだわった質の高い宇治茶が評判。

なんと、お茶を2度揉んで針のような細い茶葉に仕上げる製法を考案し、高級茶・玉露を完成させたのも「辻利兵衛」なんです。

厳選した茶葉を使ったお茶とスイーツを提供する「辻利兵衛本店 京都宇治本店」は、日本茶の歴史に貢献してきた製茶問屋の本気が見える茶寮といっても過言ではありません。

「辻利兵衛本店 京都宇治本店」は、JR奈良線の宇治駅から徒歩約5分。駅から近いとはいっても、宇治の主要観光エリアからは離れているため、周辺の人通りはまばら。

途中閑静な住宅街の中に入っていくので、「本当にこんなところにあるの?」と不安になってしまうほど隠れ家的な場所にあります。

しかし一度門をくぐってしまえば、そこは別世界。広大な庭園の中に、お茶工場として使われていたという築100年の建物をリノベーションした茶寮がたたずんでいます。

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