暗号資産(仮想通貨)取引所Zaifを運営する株式会社カイカエクスチェンジは7日、イニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)事業の検討開始を発表した。

IEOとは、企業やプロジェクトが取引所でのユーティリティトークンの発行を通じて資金調達を行うことである。取引所は自社での上場及び販売を前提に、トークンに加えて発行元企業についても入念に調査した上で上場させる仕組みとなっている。イニシャル・コイン・オファリング(ICO)と比較して、第三者の審査を通過する事で信用性が高まるメリットがある。

Zaifは既に多数の暗号資産を取り扱っているが、IEO事業の検討開始に伴って暗号資産投資家に向けてより多くの投資の選択肢を提供する事を目指すようだ。また、資金調達を考えている企業は、ユーティリティトークンの発行及び販売で、プロジェクトごとのきめ細かな資金調達や発行したコインを活用した顧客マーケティングの実施などのメリットがあげられ、コミュニティを保有している企業には特にメリットがあるという。Zaif では「Zaif Payment」という暗号資産決済のプラットフォームを有しており、発行した暗号資産を対価としたサービス提供の手伝いも可能となっている。

21年7月には、国内初のIEOとしてコインチェックでパレットトークンが上場した。21年11月には、フィナンシェと提携してIEO第二弾の実現を2022年夏までに目指すと発表している。そのほか、暗号資産取引所を運営するフォビジャパンがIEOによる資金調達事業の準備を開始したことを21年12月に発表、国内大手取引所bitbankを運営するビットバンクは21年9月にミクシィとの資本業務提携を発表した際、IEO事業への意欲を示していた。IEOは2021年から国内の取引所で注目されており、2022年の国内の暗号資産業界ではIEOが一つのテーマとして盛り上がりを見せる可能性がありそうだ。