10月21日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に、元オウム真理教の幹部で現「ひかりの輪」代表の上祐史浩氏(58)がVTRで出演。オウム真理教に出された“解散命令”の経験者として、旧統一教会に対する解散命令請求についての見解を語った。
今から27年前、地下鉄駅構内で死者を含む多数の被害者を出した「地下鉄サリン事件」を起こし、その後、解散命令が下されたオウム真理教。当時、上祐氏は教団の緊急対策本部長としてテレビで会見にあたっていた。解散命令を受けたあとのオウム真理教は、「Aleph」「山田らの集団」「ひかりの輪」と3つの団体に分かれ、名前を変えて活動を続けている。
『モーニングショー』のインタビューに応じた上祐氏は、解散命令を受けた当時を振り返り「宗教法人の解散命令に関しては実際の解散ではないので、あんまり(信者たちの)反応はなかった」「信者の活動には全く影響を与えない」とし、宗教法人の解散命令は「“法人格”と“免税権”のはく奪にすぎない」とコメント。そして旧統一教会については、解散命令が出されたからといって「信者たちが信仰をやめる気には恐らくならない」と言うと、外部から弾圧されることによって「『悪の社会が悪を深めている』となると、逆に信仰が悪い意味で強まる」と懸念点を指摘。
そのため、解散命令の請求が裁判所に認められるか認められないかは別として「『こんなはずではなかった』という状態になる可能性はあると思う」と見解を語った。
実際、番組のインタビューに応じた「Aleph」の元代表だという人物も、旧統一教会に解散命令が出されたとしても「(影響は)全くないと思います」と断言。現在もAlephが変わりなく勧誘を続けているように、解散後も「勧誘活動とかお布施集めもできる」「むしろ逆に信者同士の結束が外圧によって強まる懸念すらある」と語っている。
これについて、ジャーナリストの鈴木エイト氏は「『国から認められた宗教団体です』みたいな形で勧誘をしている実態もあるので、(解散命令が認められれば)少なくとも今後の被害については抑えられるのではないか」との見解を語った。
「ただ、上祐氏のインタビュー出演に対し、ネット上からは『上祐元オウム真理教幹部にインタビューして放送する必要があるのか。同じようなことを聞くなら他に弁護士やジャーナリストなど適切な人選があるはず』『旧統一教会勅使河原本部長はオウム真理教で言う上祐史浩氏と同じだよね』『上祐の言葉なんて信用に値しない』『地上波に出していい人とは思えない。毒ガス無差別テロで大勢の死傷者を出した団体ですよ』と反発の声が続出しています」(政治記者)
一方で、「当事者ならではのさすがの弁論」「私も上祐の言うとおりだと思う」といった声も。解散させる意味は十分にあるだけに、このまま動きを見守りたい。