12月2日放送の『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)で、「岸田首相はなぜ投資をすすめるの?」として、投資について詳しく解説する場面があり、視聴者から疑問の声を集めている。
問題となっているのは、通常のチコちゃんの問題の間に差し込まれたミニコーナー。今回はNHK解説委員の今井純子氏を招き、岸田文雄首相(65)が「貯蓄から投資へのシフトを大胆に進める」と、投資を促す発言をしたことを紹介。「なぜ総理大臣は投資を勧める?」として、投資の仕組みなどについて解説していった。
今井氏は、日本人が銀行や家に貯めているお金が約1000兆円、国家予算の約10年分あるといい、「それを株式なんかの投資に使っていくと、企業もどんどん成長のために使って儲けを増やしていく。一方、投資をした人も株価が上がったりすればそこで利益が出てこれまでよりもお金を使うようになるでしょ?」といい、「そうすると日本の経済も暮らしもこれまでよりも豊かになる」と説明。続けて、人生100年時代、年金だけで暮らすにはなかなか厳しくなっているといい、「だから投資をすることである程度自分で資産を増やしてほしいっていう狙いが国にはあると思うんだよね」と分かりやすく解説し、「長い目で見て、投資で損をする心配というのをある程度減らしていけるっていうのが投資の原則」と断言。また、初心者でも投資しやすい「つみたてNISA」を国が作り、税金がかからない期間を増やそうとする検討もあると紹介していた。
しかし、この日の放送にネット上からは、「なにこれ?自民の宣伝?」「NHKでこれやるの違和感あるな」「胡散臭い証券屋みたいなこと言い出したな」「政府の広報に成り下がったNHK」といった疑問の声が噴出した。
「ハードルの低いつみたてNISAをしている人は多いとはいえ、NHKの番組でそれを推奨するようなコーナーを作って放送したことに違和感を抱いた人が多くいたようです。また、解説の今井氏は年齢を理由に『つみたてNISAはやっていない』とも告白。その理由について、つみたてNISAの20年間という長期的な運用期間を上げていましたが、若者層にはそもそも貯蓄がないから投資に回せないという側面もあり、視聴者からは『自分がやらないもの勧めるな』『いまの2、30代は生活するだけで精一杯』『余剰資金なんてねーよ』という声も集まっていました」(週刊誌記者)
平均年収1045万円(20年度)という高給を誇るNHKだけに、なんとも現実味のない投資紹介だった。