お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(60)、バナナマンの設楽統(50)、女優の小池栄子(42)がMCを務める人気番組『クレイジージャーニー』(TBS系)が2日、X(旧ツイッター)を更新。「先月30日『イスラム国』の思想や影響が残るシリア北東部の難民キャンプや街をTBS須賀川記者が取材した模様を放送した際、告知スポットで“過激派組織『イスラム国』に潜入取材”と表示しましたが、不正確な表現でした。」と、番組制作上の誤りを正式に認めた。

同番組をめぐっては、予告などで頻繁に「過激派組織『イスラム国』に潜入取材」と伝えられていた。こうした表現に対し、イスラム国に拘束された経験を持つジャーナリストの安田純平氏(49)は放送前に「すでにイスラム国は壊滅しており、ラッカは『首都だった』にすぎない。それだけで『イスラム国潜入取材』のわけがないので、潜伏してゲリラやってるイスラム国に潜入した世界唯一のリポートが見られるはず」と疑義を投稿。

しかし、実際に放送されたのはラッカを取材するだけという内容で、安田氏は放送後に「やはりイスラム国がすでに存在しないラッカと戦闘員の妻らが収容されているキャンプに行ったという内容だった。後藤健二さんらISそのものの取材を試みて命を落とした記者たちがいたのに、IS壊滅後のラッカやキャンプ行った程度で『イスラム国潜入取材』を騙るなど報道機関として許されることではない。」と指摘。

さらに「IS壊滅後のラッカやアル・ホールキャンプの取材は大いにやるべきだし、日本のキー局の本隊がそこまで行くのは日本のキー局としては画期的だと思うが、これは『イスラム国に潜入取材』では断じてない。出演してた報道の人たちが自ら言ったわけではないが、バラエティだからとウソ流していいわけがない。」「現実の問題を表現し伝えるにあたり、報道なのかバラエティなのかは手法の違いでしかない。バラエティだからウソでもデマでもいいなんてわけがなく、誤解させていいわけでもない。関心なかった人たちに関心持ってもらうきっかけになるならよいが、誤解させる表現を使うことはなおのこと慎むべきだ。」「報道機関として恥ずかしくないのかTBS」などと番組制作サイドの姿勢をバッサリ切り捨てていた。

同番組では2019年8月、海外に生息する珍しい生物を捕まえる企画で、番組スタッフがロケ前に準備した生物を、実際にその場で発見して捕獲したかのように見せて放送していた「ヤラセ」が発覚しレギュラー放送が終了。

2021年5月に特別番組として復活した際に番組公式サイトおよびSNSでは、「制作体制や情報共有の在り方など番組に内在した問題点を洗い出し、抜本的な見直しと議論を重ねました。その結果、制作過程の適正化及び再発防止に一定の道筋がついたと判断」と発表していた。