過去最高の利益を弾き出したばかりの電力大手5社が29日、来年1月の電気料金を値上げすると発表した。円安に拍車がかかり物価高が続くなど厳しい経済状況にあって、電力各社の値上げに庶民からは怒りの声が渦巻いている。
気になる標準家庭の値上げ幅だが、前月比2〜24円で火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の輸入価格上昇などが影響。LNGを原料に使う都市ガス大手4社は、全社が27〜35円値上げする。
今回値上げするのは北海道、九州、沖縄の各電力各社で、電力使用量が月260キロワット時の標準家庭の場合、東電は前月比5円高い7464円に。燃料費上昇分を料金に反映できる制度の上限に達している関西電力のほか、東北、四国の両電力は横ばいのまま。石炭価格の下落により北陸電力は7円、中国電力は13円をそれぞれ値下げする。
円安の進行や原油価格の上昇に伴い、火力発電用の石炭やLNGの価格上昇で各社の台所事情は苦しくなっている電力業界。だが、令和5年4~6月期連結決算では、10社中8社が4~6月期として過去最高の黒字となったばかりとあって、電気代値上げのニュースにネット上からは「黒字のはずでは?」「たまには値下げしろ」「値上げする前にまず、利益と株式配当を減らせ」「何で原発ある九電値上げすんの?謎なんだけど。便乗かな?」「全部値上げやね。本当にきつい」など怒りのコメントが多く寄せられていた。