池ケ原湿原は、奥飛騨数河流葉(おくひだすごうながれは)県立自然公園内にある標高960~980メートルの低層湿原です。広さは約5ヘクタールあり、岐阜県の天然記念物に指定されています。
冬季は一面深い雪に覆われますが、4月下旬から5月上旬にかけて雪解け水の豊かな水とともに新たな自然の彩りが始まります。30万株とも40万株ともいわれるミズバショウが一斉に咲き誇り、黄色の花をつけるリュウキンカと織りなす様子は、春の池ケ原湿原を代表する風景です。
湿原は、季節ごとに異なる姿を見せてくれます。初夏(6月頃)にはサワオグルマやカキツバタ、夏(7~8月)にはフウロソウやミズチドリ、秋(9~10月)には湿原の草紅葉やシラカンバの紅葉が美しいです。
湿原内には木道が整備されており、車イスやベビーカーでの散策が可能です。この木道は、「老若男女、障がいの有無にかかわらず、だれでも自然の景観を楽しむ権利がある」という想いを持ったボランティアの方々の尽力によって整備されたとのこと。
駐車場から歩いてすぐに湿原が広がっていることもあり、ベビーカーを押したママさんたちの憩いの場にもなっているそうです。(ペットの連れ込みは生態系に影響を及ぼすおそれがあるため禁止されています)
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