8月22日(木)に東京都港区の八芳園にて、八芳園リニューアルオープンについての発表を行なう「2005 リニューアル計画説明会VISION2025」を株式会社八芳園が開催した。
八芳園は江戸時代から続く庭園を有する結婚式場や各種宴会場として有名だが、近年ではこれまでの事業でつちかってきた経験を活かして各種プロデュースの業務にも乗り出している。
今回の説明会は、八芳園が2025年に約半年間の期間で全館休館し、2025年10月1日にリニューアルオープンするとのことで、リニューアル後の構想について発表するものとなった。
登壇した株式会社八芳園の井上義則代表取締役社長は、2043年の創業100周年に向けての八芳園のビジョンと新事業についてのプレゼンテーションを行なった。
井上社長は、日本において文化資産が失われている現状があると説明。その原因は様々だが、文化資産を管理維持するための予算や人材の不足があると指摘し、こうした問題を解決するためにも文化風習への理解、雇用と利益の創出の両方が必要だと語った。
文化資産の重要性を知る八芳園は、「日本中の文化資産を次世代に」という目標を掲げて全国のエリアプロデュースに乗り出すと井上社長は宣言。
その第一弾の実績として、八芳園が福岡県最大の繁華街の天神にある警固神社の敷地内にオープンした総合会場「THE KEGO CLUB」を紹介した。
井上社長はリニューアルまでの1年間で、警固に続く案件を複数生み出したいと語った。全国各地でプロジェクトを立ち上げ、そのための人材をその土地で採用するとのことだった。
続いて登壇した株式会社八芳園の取締役総支配人の関本敬祐氏は、リニューアルの具体的な内容についてプレゼンテーションした。
リニューアルのテーマは、「既存建物を次世代へつなげる改修 継承と創造」だと説明。建物を壊して新しく作り直すのではなく、既存の建物をよりよく使い続けて、八芳園の文化資産を次世代へとつなぐと説明し、ここでも文化資産の重要性を強調した。
事業の内容でもリニューアルが施されると関本氏は語った。ブライダル事業においては会員制サービスを導入。結婚式のときのみのサービスではなく、生涯にわたってのサービスを目指す。
イベント事業においては、会場を増設して大人数の利用にも対応。先に登壇した井上社長はMICE(企業や団体が実施する会議、研修旅行、展示など)のニーズも取り込むサービスを実現させると語ったが、大人数で利用可能な会場はそうしたMICEニーズにもしっかりと応えられるものになりそうだ。
フード事業においては、メニューを一新するだけでなく、ハラル専用キッチンを新設する。これによりムスリムフードの提供が可能となり、多様化するニーズに対応。高輪ゲートウェイシティにて新規開業する洋菓子店では未利用品のフルーツを活用し、フードロスの削減にも取り組むという。
2043年に100周年を迎える八芳園だが、2030年度までには総売り上げを120億円以上にしたいという目標も井上社長から掲げられた。