エリザベス女王の居城としてあまりにも有名なロンドンのバッキンガム宮殿。

その一部をなす王室専用の厩(うまや)が「ロイヤル・ミューズ」です。世界でも最高峰の厩舎のひとつに数えられ、王室の馬たちの姿が見られるほか、王室の歴代の馬車や公用車などが展示されています。

興味深いのは、ここは観光スポットである以前に現役の王室の厩であり、敷地内には今も馬や馬車の手入れをする人々が暮らしていること。

英国王室の運営を陰で支える現場を垣間見るというユニークな体験ができるのです。

・王室の馬たち

ロイヤル・ミューズの厩舎は、1820年代、ジョージ4世の時代に造られたもの。200年前には100頭ほどの馬が飼育されていましたが、現在では、およそ30頭のうちの数頭が日常的に任務にあたっているといいます。

王室の馬は、伝統的に女王の馬車を引くウィンザーグレイと、女王以外の王族や外交官の馬車を引くクリーヴランドベイの2種類。

ほとんどの馬の名前は女王によって付けられるのだとか。王室の馬だと思って見るからでしょうか。美しく立派な馬たちには、気品さえ感じるような気がします。

・歴代の豪華な馬車

ロイヤル・ミューズには公式訪問やロイヤル・ウェディングなどの行事に使われてきた豪華な馬車の数々が展示されています。

次ページ