おそらく世界で最も有名なバックパッカー街といえば、タイの首都バンコクにあるカオサン。

南国特有ののんびりした空気や物価の安さ、ご飯のおいしさ、観光客に必要なものが一通りそろう利便性から、バンコクは長らくバックパッカーたちの「沈没地」として不動の地位を維持してきました。

そのなかでもバックパッカー御用達の安宿街がカオサンロード、通称「カオサン」だったのです。

いまもバックパッカー街としての役割が失われたわけではありませんが、近年のカオサンは少々様変わりしつつあります。

それは、ほかのエリアに宿泊しつつも「かの有名なカオサンとはどのようなところか一度見てみたい」という旅行者までもが集まる観光地と化していること。若い外国人観光客のみならず、高級ホテルに宿泊していそうな中高年の欧米人旅行者や、タイ人の若者の姿も見られるようになりました。

世界屈指のバックパッカー街がどのような発展を遂げているのか、カオサンの今をレポートします。

・「カオサン」ってどこにあるの?

カオサンロードがあるのは、王宮やワット・ポーなど、バンコクを代表する観光スポットが集中する旧市街エリア。  

BTSやMRTでのアクセスはできず、公共交通機関ならローカルバスまたはチャオプラヤー川を運行するボートでのアクセスになります。ローカルバスやボートでのアクセスは時間がかかるので、メータータクシーを利用してもいいでしょう。

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