東ドイツの学芸の町、ライプツィヒ。1409年にはライプツィヒ大学が創立され、ゲーテやニーチェ、森鴎外といったそうそうたる偉人たちがここで学びました。
そんなライプツィヒには、ゲーテゆかりの地として世界的に有名なワイン酒場兼レストランがあります。
それが、ショッピングアーケード「メードラー・パッサージュ」地下にある「アウアーバッハス・ケラー(Auerbachs Keller)」。入口前に立つファウスト博士とメフィストフェレスの銅像が目印です。
アウアーバッハス・ケラーの歴史は1525年、医師で教授でもあったハインリッヒ・シュトローマー・フォン・アウアーバッハが、「ワインは正しく飲めば各種病気の予防になる」と考え、自身の家のワインセラーに学生のための酒場を設けたことがそのはじまりです。
ライプツィヒの大学に遊学していたゲーテもアウアーバッハス・ケラーを気に入り、足繁く通っていました。そんななかでゲーテは、「ファウスト博士が悪魔の力を借り、大きなワイン樽にまたがってこの酒場から表の通りへ飛んで行った」という古い言い伝えを耳にします。
その言い伝えに強く惹かれたゲーテは、代表作「ファウスト」の悲劇第一部にこのアウアーバッハス・ケラーを登場させたのです。それ以来、この酒場は世界で最も有名なレストランのひとつに名を連ねています。
1912年には500人収容な大地下室レストランが設けられ、これまでに何百万人というゲストを迎え入れてきました。
レストランに足を踏み入れると、クラシカルなムードと重厚感たっぷりの空間に魅了されます。
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