こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

中国人と言えば、「爆買い」を思いつく方は結構、いらっしゃると思いますが、今回はトンデモナイものが「爆買い」されているお話です。

この記事を端的に説明すると、短期滞在ビザで入国した外国人が帰国後もなお、日本の健康保険制度の恩恵を受けているというものです。本来は外国人が日本で万が一、病気やケガになった時のための「おもてなし」制度ですが、この制度を貪欲的な中国人が悪用し、日本の医療制度をさらに圧迫させています。

中国では、経済が急成長を遂げた一方で、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、癌の患者も爆発的に増えました。その結果、現在、自身の費用で万人が満足する医療が受けられない、といった需要と供給のアンバランス状態にあります。そこで、日本の医療サービスを受けようと来日する人がいるのです。日本の医療は治療費に対し満足度が高いので、中国人にとっては大変、魅力的なのです。

そういったことから、本来、治療目的のビザを「短期滞在」と偽り、「おもてなし」にタダ乗り同然で、日本の医療制度を食い潰しています。

こうしたバカげた「おもてなし」は短期滞在の外国人に限ったことではないのです。日本で就労している中国人が「中国にいる扶養家族」に医療を受けさせることも可能になります。そして、治療の時だけ来日し、終わればさっさと帰国するという事態を引き起こしています。

ただでさえ、高齢化が急速に進み、困窮している日本の医療制度の「いいとこ取り」を、一体、誰が許したのでしょうか。その答えは、旧民主党政権です。2010年、民主党政権は医療観光を強化する方針を閣議決定しました。

その後の自民党政権も続けて、外国人観光客を招く政策を続けています。日本政策投資銀行によれば、医療ツーリズムの2020年の潜在的市場規模を5500億円。日本の医療の信頼性が世界中で知られるようにもなりましたが、その実態は酷いものです。

――医療滞在ビザで来日し、ハーボニー投与を受けた場合、滞在費を含めて600万円以上になると業者から言われたという。

薬価と患者の負担額の差額は、保険料と税金によって賄われていることは言うまでもない。Wさんは「保険料はきっちり払っている」と強調するが、前年に日本で所得のない彼女の保険料は、最低額の月4000円程度だ。

さらに、医療費を未払いの外国人はそのまま出国してしまう「食い逃げ」のケースも多く存在します。2015年度に「医療費未払いの外国人受診者」がいた病院は35%に上ります。

次ページ:医療だけじゃない中国”蝗虫”被害? ドイツでも善意の留学支援がアダに
  • 1
  • 2